なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「ハートブレイクホテル」 Heartbreak Hotel (1988)

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監督:クリス・コロンバス
製作:リンダ・オブスト
   デブラ・ヒル
脚本:クリス・コロンバス
撮影:スティーヴ・ドブソン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:デヴィッド・キース
   チューズデイ・ウェルド
   チャーリー・シュラッター
   アンジェラ・ゴーサルズ
   ジャック・リン・コルトン
   クリス・マルケイ
   カレン・ランドリー
アメリカ映画/101分/カラー作品





<あらすじ>
時は1972年。オハイオ州の田舎町テイラーにある小さなホテル「フレイミング・スター」。オーナーのマリー(チューズデイ・ウェルド)は夫に先立たれて以来、ホテルの経営や子育てなどそっちのけで、男とくっついては離れてを繰り返している。
幼い娘パム(アンジェラ・ゴーサルズ)の面倒を見ているのは、高校生の長男ジョニー(チャーリー・シュラッター)。男に依存してばかりの母親を心配するジョニーだったが、それを言うと親子ゲンカになってしまう。マリーも子供たちのことを愛してはいるものの、夫のいない寂しさはどうにも耐え難かったのだ。
学校では仲間とロックバンドを組んでいるジョニーだが、保守的な田舎の学校では学園祭での演奏すら許してもらえない。一方、母マリーは熱狂的なプレスリー・ファン。エルヴィスを神のように崇めているが、ジョニーの世代にとってプレスリーといえば、ケバケバしい格好をして大袈裟なバラードを歌うダサいオッサン。これっぽっちもクールじゃない。
あるとき、マリーが粗暴な恋人スティーヴ(クリス・マルケイ)に殴られて病院に担ぎこまれた。どうすれば母親に幸せになってもらえるのか。一家の男としてジョニーは真剣に悩む。すると、近くの町でプレスリーがコンサートをするという。頼めば母親に会ってくれるかもしれない。そこで、ジョニーは仲間たちと秘策を練る。
というのも、町でピザ屋を経営する中年女性ロージー(ジャック・リン・コルトン)が、エルヴィスの亡き母親と瓜二つだったのだ。エルヴィスは母親想いなので、きっと気を引くことができるはず。そう考えたジョニーたちは、ロージーに頼み込んでコンサートについてきてもらう。
案の定、エルヴィスはロージーの顔を見てビックリした。彼女を使ってエルヴィスをホテルの外へとおびき出したジョニーたち。そこで家に来て欲しいと頼むはずだったが、エルヴィスが逆上してしまったため、無理やり誘拐する羽目になってしまう。
ジョニーから事情を聴いて一応は納得したエルヴィス。町の人たちの歓迎ぶりにも気を良くし、ジョニーの家族とも打ち解けていくのだが…。


今や「ハリー・ポッター」シリーズの監督としてお馴染みのクリス・コロンバス。デビュー作「ベビーシッター・アドベンチャー」('87)に続いて撮った作品が、ロックの王様エルヴィス・プレスリーと思春期の少年の交流を描いた本作だ。

もちろん、ストーリーは完全なフィクション。プレスリーが少年に誘拐されたなんて事実はない。だが、かつて若者のヒーローだったロックンロールの王様が、すっかり時代遅れな旧世代の象徴になってしまった'70年初頭を舞台設定に選んでいるあたり、脚本も兼ねたコロンバスのセンスの良さが光る。母親想いの孤独な少年ジョニーにかつての自分を投影し、思わず忘れかけていた初心を思い出すエルヴィス。そして、エルヴィスに顔もよく覚えていない父親の影を見出し、男としての逞しい生きざまを学んでいくジョニー。この2人の暖かな心の触れ合いが、実に微笑ましく爽やかなタッチで描かれていく。

興味深いのは、かつて「嵐の青春」('61)でプレスリーの相手役を演じ、私生活でも一時期恋人だったチューズデイ・ウェルドが、ジョニーの母親マリー役を演じていること。若い頃のエルヴィスがいかに素敵だったのか、どれほど若者たちから崇拝されたのかを嬉々として語るマリーを、彼女はどのような気持ちで演じたのか。非常に気になるところだ。

公開当時すでに伝説化されていたプレスリーの存在を、さながら現代アメリカの神話的ヒーローのように扱った演出も、思わずニンマリとさせられて楽しい。ホテルの階段の上から、まるで後光のようなスポットライト浴びて、ギターをかき鳴らしながらエルヴィスがマリーの前に登場するなんて、バカバカしいけれど笑顔にさせられる。顔こそまるで似ていないものの、仕草や雰囲気でエルヴィスになりきっているデヴィッド・キースも好演だ。

確かに他愛のないストーリーだし、必ずしも傑作とは呼べないかもしれない。しかし、見終わったあと、ちょっといい気分に浸れる。そんな小品佳作だと思う。

評価(5点満点):★★★★☆

参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/1080p/音声:2.0ch Dolby Digital/言語:英語/字幕:なし/地域コード:A/時間:101分/発売元:Mill Creek Entertainment/Buena Vista Home Entertainment (2015)
特典:なし


by nakachan1045 | 2016-08-12 01:00 | 映画 | Comments(0)

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