なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「フォービデン・ゾーン」 Forbidden Zone (1980)

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監督:リチャード・エルフマン
製作:リチャード・エルフマン
原案:リチャード・エルフマン
脚本:リチャード・エルフマン
   マシュー・ブライト
   ニック・L・マーティンソン
   ニック・ジェームズ
撮影:グレゴリー・サンドア
美術:マリー=パスカル・エルフマン
アニメーション:ジョン・ムトー
音楽:ダニー・エルフマン
出演:エルヴェ・ヴィルシェーズ
   スーザン・ティレル
   ジャン・スチュアート・シュワルツ
   マリー=パスカル・エルフマン
   ヴァージニア・ローズ
   ウー=ファッジ・ブワナ
   フィル・ゴードン
   ハイマン・ダイアモンド
   トシロー・バローニ(マシュー・ブライト)
   ジゼル・リンドリー
   ダニー・エルフマン
   ヴィヴァ
   ジョー・スピネル
   ザ・キッパー・キッズ
アメリカ映画/73分/モノクロ映画(カラライズ版あり)





<あらすじ>
カリフォルニアのベニス。とある家に引っ越してきたヘラクレス一家だったが、その家の地下には6次元の異空間“フォービデン・ゾーン”へ続く扉が存在した。一度入ったら二度と戻ってこれないため、父親(ウー=ファッジ・ブワナ)と母親(ヴァージニア・ローズ)から絶対に扉へ近づいてはいけないと注意されるフレンチー(マリー=パスカル・エルフマン)だったが、そう言われると尚更のこと興味が沸いてしまう。
兄フラッシュ(フィル・ゴードン)と学校へ向かうフレンチーは、いじめられっ子のスクイージット(トシロー・バローニ)から、彼の双子のオネエ、ルネ(トシロー・バローニ)がフォービデン・ゾーンに囚われていると聞く。学校では生徒たちが好き勝手放題で、先生と銃撃戦を始める始末。呆れたフレンチーは家へ帰り、こっそりと地下の扉を覗こうとするが、ローラースケートに足を滑らせて中へ飛び込んでしまう。
フォービデン・ゾーンの裸のプリンセス(ジゼル・リンドリー)に捕らわれたフレンチーは、6次元の王様ファウスト(エルヴェ・ヴィルシェーズ)と女王ドリス(スーザン・ティレル)のもとへ。フレンチーに一目惚れしたファウストは、彼女をお気に入りの愛人を囲っておく第63番独房へ入れる。そこにはルネも囚われていた。
一方、兄フラッシュは祖父(ハイマン・ダイアモンド)と一緒にフレンチーを救うためフォービデン・ゾーンへ。さらに、嫉妬の鬼となったドリスがフレンチーを痛めつけようと画策し、やがて6次元の世界では阿鼻叫喚(?)の珍騒動が展開していく…。


ロックバンド、オインゴ・ボインゴの創始者であるリチャード・エルフマンの手がけたビザールかつクレイジーなミュージカル・コメディ。シュールなストーリーにおバカなギャグ、レトロな音楽にアヴァンギャルドな美術。アングラ色全開のキッチュな悪乗り感覚が熱狂的なマニアを生み、欧米では「ロッキー・ホラー・ショー」とも並び称されるカルト映画として知られている。

もともとオインゴ・ボインゴは、ザ・ミスティック・ナイツ・オブ・ザ・オインゴ・ボインゴという音楽演劇集団だった。リチャードと弟ダニー、そして幼馴染のマシュー・ブライトらによって立ち上げられた同グループは、キャブ・キャロウェイやジョセフィン・ベイカーといったジャズ・エイジのポピュラー・ミュージックをベースに、実験性の高いパフォーマンスを披露して人気を集めたが、やがてダニーを中心にニューウェーブ系のスカ・バンドへと変貌していく。そのちょうど中間地点に当たる時期に、グループのパフォーマンスを映像作品として表現したいと考えたリチャードの発案により、ギリギリの低予算で企画された映画が本作だったというわけだ。

多くのカルト映画がそうであるように、本作も見る人をかなり選ぶ映画ではある。なんたって、全編これチープで悪趣味(笑)。ギャグはほとんどシモネタ一色だし、あえて人種や宗教をカリカチュアしたジョークもチラホラ。なので、生真面目な観客の中には、眉をひそめる向きもあるかもしれない。実際、劇場公開当時は差別的だとして批判も受けたというが、しかし本作はそうした差別的価値観そのものを笑いのネタにしているのであり、その点は決して見誤ってはならないだろう。

また、セットはほとんど手作りの書き割り。まあ、見方によっては「カリガリ博士」をはじめとするドイツ表現主義映画にインスパイアされたとも言えるだろうが、それにしたって自主制作感丸出しのショボさである。さらに、フライシャー兄弟に影響されたという、キモかわいいアニメも愉快で楽しい。ちびくろサンボまんまな黒人の描写も含め、'30年代のアメリカン・カートゥーンの雰囲気をしっかりと再現している。これもまた、分かる人にしか分からないレトロ趣味の賜物といえよう。

「ゴングなき戦い」('72)でオスカー候補になった個性派女優スーザン・ティレルがサディスティックな6次元の女王ドリス役で怪気炎をあげるほか、「007 黄金銃を持つ男」('74)にも出ていた小人俳優エルヴェ・ヴィルシェーズやウォーホール一派の女優ヴィヴァ、南米出身のパフォーマンス・アーティスト、キッパー・キッズなどなど、出演者もアクの強いクセ者だらけ。胃もたれ胸焼けに要注意だ。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ情報(イギリス盤)
モノクロ&カラー/ワイドスクリーン(1.78:1)/1080p/音声:5.1ch DTS-HD Master Audio・2.0ch LPCM・1.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語/字幕:英語(SDH)/地域コード:ALL/時間73分(カラー版74分)/発売元:Arrow Films (2012)
特典:リチャード・エルフマン監督、マシュー・ブライトによる音声解説/メイキング・ドキュメンタリー(約37分)/アウトテイク集(約11分)/未公開シーン集(約5分)/短編「The Hercules Family」より抜粋(約6分)/オインゴ・ボインゴ「Private Life」音楽クリップ(約4分)/日本盤DVD向け監督メッセージ映像(約4分)/オリジナル予告編/フルカラー・ブックレット(16p)


by nakachan1045 | 2016-08-12 21:59 | 映画 | Comments(0)

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