なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「ブレイクダンス2/ブーガルビートでT.K.O!」 Breakin' 2: Electric Boogaloo (1984)

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監督:サム・ファーステンバーグ
製作:メナハム・ゴーラン
   ヨーラム・グローバス
脚本:ジャン・ヴェンチュラ
   ジュリー・レイシャート
撮影:ハナニア・ベアー
振付:ビル・グッドサン
音楽:マイケル・リン
出演:ルシンダ・ディッキー
   シャバ=ドゥー
   ブーガルー・シュリンプ
   スージー・ボーノ
   ハリー・シーザー
   サブリナ・ガルシア
   ジョー・デ・ウィンター
   ジョン・クリスティ・イーウィング
   ピーター・マクリーン
   アイス・T
   キャロル・リン・タウンズ
ハリウッド映画/94分/カラー作品





<あらすじ>
ダンス・オーディションに合格し、それなりに名を成したTKOチーム、ターボ(ブーガルー・シュリンプ)、ケリー(ルシンダ・ディッキー)、オゾン(シャバ=ドゥー)の3人だったが、その後はいまいちパッとせず。ケリーは相変わらずステージに立ちつつオーディションを受け、オゾンとターボはロサンゼルス市のコミュニティ・センターで若者向けにダンスを教えていた。
貧しい若者たちにスポーツや音楽の才能を伸ばすチャンスを与え、彼らが非行の道へ走ることを防ぐコミュニティ・センターのあり方に共感したケリーは、自らも空いた時間にボランティアでダンスを教えることにする。
しかし、彼女のダンスに賭ける情熱を理解できず、貧困層の若者たちと交流することを快く思わない裕福なケリーの両親(ジョン・クリスティ・イーウィング、ジョー・デ・ウィンター)は、プリンストン大学へ復学して真っ当な仕事に就くことを望んでいた。また、オゾンに未練たらたらの元恋人ロンダ(スージー・ボーノ)がケリーを目の敵にし、あんたのようなお嬢様が来るところじゃないとコミュニティ・センターから追い出そうとする。
一方、地元の強欲な土地開発業者ダグラス氏(ピーター・マクリーン)はコミュニティ・センターを取り壊してショッピングモールを建てる計画を進めており、財政に苦しむロサンゼルス市当局も建物の老朽化を理由に若者たちを追い出し、ダグラス氏に高値で土地を売却しようと画策していた。
それを知ったコミュニティ・センターの責任者バイロン(ハリー・シーザー)やオゾンたちは、3週間という立ち退き期限の間に建物の修繕費を集めようと奔走するものの、なかなか資金は集まらない。しかも、着々と進む工事を邪魔しようとしたターボが大怪我で入院するという事態に。そんな中、憧れのパリでステージに立つことが決まったケリーは、自分の夢と仲間との絆のどちらを選ぶかで苦悩する。オゾンたちは大規模なチャリティ・ショーを開催して修繕費を賄おうと計画するが、それを妨害するべくダグラス氏は建物の取り壊し作業に取り掛かろうとする…。


キャノン・フィルムにとって初めてのメジャーヒットとなった『ブレイクダンス』の大成功を受け、そのちょうど半年後という異例の速さで劇場公開された続編がこれ。1作目では当時のストリートカルチャーをふんだんに盛り込みつつ、ハリウッド流に換骨奪胎した若者向けダンス映画として仕上げていたわけだが、この2作目ではさらにストリート感が薄れている。というか、ノリはほとんど往年のハリウッドミュージカル。これを良しとするか否かで大きく評価が分かれるだろう。

冒頭からいきなり通行人を巻き込んでの大規模な群衆ダンスシーン。これはこれで迫力あって楽しいのだが、通りすがりの郵便配達員や警察官、お爺ちゃんお婆ちゃんまもでが踊りだすという、ショービズ感丸出しの展開に違和感を覚える向きもあるかもしれない。医者からナース、妊婦さんたちも踊り狂い、手術台で死にかけた患者まで蘇生して踊りだすという病院でのダンスシーンも荒唐無稽そのもの。フレッド・アステアの『恋愛準決勝戦』('51)を再現した、部屋の中を360度回転して踊るシーンまで用意されている。ここまで来ると完全にファンタジーの世界だ。

若者たちが音楽やダンスの力で理不尽な権威に対抗するという筋立ても、'30年代に流行したミッキー・ルーニー&ジュディ・ガーランド主演の学園ミュージカルそのまんま。発想がむちゃくちゃ古いのだ。なんというか、ストリート発祥の若者文化が映画界の大人たちによって骨抜きにされてしまった、そんな印象を受けてしまうのが皮肉といえば皮肉かもしれない。

ただ、主演のシャバ=ドゥーやブーガルー・シュリンプを含め、関係者たちにとっては楽しい撮影現場だったようだ。先述したように1作目の半年後に劇場公開されたわけだが、撮影期間1ヶ月未満が当たり前だった当時のキャノン・フィルムにあって、本作に与えられた時間は9週間。事前にトライスター映画との配給契約が成立していたために予算も大幅にアップし、クライマックスのチャリティ・ショーでは4000人のエキストラまで動員している。

監督はキャノンで『アメリカン忍者』('85)シリーズなどのB級アクションを連発していたサム・ファーステンバーグ。もともとミュージカル映画が好きだったこともあって、これはまたとないチャンスだと張り切って現場に臨んだという。シャバ=ドゥーも振付師としての経験を活かし、群衆ダンスでは積極的にアイディアを出したと語っている。確かに、クレーンカメラなどを駆使したダンスシーンの演出は自由自在でダイナミックだし、エキストラを含めた出演者たちも存分に撮影を楽しんでいる様子が伝わってくる。そういう意味では、バカバカしいと一刀両断するには惜しい作品でもあると言えよう。

ちなみに、ナイトクラブのシーンにはシャバ=ドゥーの在籍した伝説的ダンス集団ザ・ロッカーズの創設者で、ロック・ダンスの発案者としても有名なドン・キャンベルがチラリと顔を出している。当時既に現役を引退していたキャンベルを、シャバ=ドゥー自身が引っ張り出してきたのだそうだ。また、病院の群衆ダンスシーンに登場するセクシー・ナースたちはラスベガスのショー・ダンサーで、撮影当日の朝に現場入りして簡単なリハーサルだけ行い、本番はワンテイクで終了。その日の夜にはラスベガスへ戻ってステージに立ったという。さすがはプロですな。

評価(5点満点):★★☆☆☆

考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.78:1)/1080p/音声:2.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語/字幕:英語/地域コード:A/時間:94分/発売元:Shout Factory/MGM (2015年)
特典:サム・ファーステンバーグ監督、シャバ=ドゥー、編集者マーカス・モントンによる音声解説/ドキュメンタリー「The Elements of Hip Hop」(約22分)/ドキュメンタリー「The Culture of Hip Hop」(約19分)/ドキュメンタリー「Shout Outs」(約4分)/映像クリップ「Living Legends Montage」(約4分)/オリジナル劇場予告編


by nakachan1045 | 2016-11-19 08:28 | 映画 | Comments(0)

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