なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

「女賭場荒し」 (1967)

f0367483_17115342.jpg
監督:弓削太郎
企画:斎藤米二郎
脚本:長谷川公之
撮影:渡辺公夫
編集:中静達治
音楽:鏑木創
出演:江波杏子
   高千穂ひづる
   成田三樹夫
   待田京介
   小池朝雄
   千波丈太郎
   加藤嘉
   青山良彦
   水原浩一
   甲千鶴
   桂米丸
   都家かつ江
日本映画/86分/カラー作品





f0367483_17122548.jpg
<あらすじ>
繁華街の有線放送サービス会社に務める若い女性・大滝銀子(江波杏子)は、その天才的なサイコロさばきでバーの客と賭け事をして遊ぶのを楽しみにしていた。そんなある日、バーで知り合った男・鉄(成田三樹夫)に誘われ、初めて鉄火場で賭博をやったところ、思いがけず大金を稼いでしまう。個人タクシーの開業資金に困っていた父親・辰吉(加藤嘉)にその金を渡した銀子だったが、賭博で儲けた金だと知った辰吉は憤慨する。
実は、辰吉はかつて“昇り龍の辰”として全国に名を知られたツボ振りの名人だった。しかし、娘のためを思って足を洗ったのである。金を返すために鉄火場へ出向いた辰吉は、そこでツボ振りのイカサマを見抜いて啖呵を切る。だが、そのせいで用心棒たちに絡まれて大怪我を負い、手当もむなしく息を引き取ってしまった。
死の床で父親から“ツボ振りになるのであればイカサマはするな”と告げられた銀子は、日本一のツボ振りを目指して鍛錬を重ね、やがて日本全国へ修行の旅へ出ることとなる。賭場を渡り歩いてはイカサマを見破って回る銀子。だが、ある賭場で仕切っているヤクザに乱暴をされそうになる。そこへ鉄が現れて銀子を救うのだった。
銀子が修行の旅に出たと知って行方を追っていたという鉄。彼もまた名うてのツボ振りだった。鉄との三本勝負に勝った銀子は、父親の名跡を継いで“昇り龍のお銀”を名乗ることに。そんな彼女に、実は辰吉にイカサマを見破られたツボ振りは自分だったと告白する鉄。恩人でもある鉄に銀子は恨みなどなかった。本格的にツボ振りとして仕事をすることを決めた彼女に、鉄は馴染みの神崎組が仕切る賭場を紹介する。
組長の神崎(小池朝雄)からイカサマを強要され、仕事を断ろうとする銀子だったが、紹介してくれた鉄にメンツが立たないことから渋々引き受けることに。しかし、どうしても我慢できなくなったことから、親切にしてくれた若者・啓次(青山良彦)の父親が組長を務める田島組に身を寄せることにする。だが、組長の田島(水原浩一)が病で倒れてしまった田島組は、新興勢力の蒲池組に縄張りを奪われそうになっていた。
そこで組長の蒲池(待田京介)と直談判した銀子は、縄張りを賭けて賭博の勝負を打つことに。だが、蒲池が連れてきたツボ振り名人の女・秋子(高千穂ひづる)は、実は銀子の生き別れた姉だった…。

f0367483_17121100.jpg
江波杏子主演による『女賭博師』シリーズの第3弾。本作でようやく初めて、“昇り龍のお銀”こと大滝銀子というキャラクターが登場することとなる。全体的な雰囲気もだいぶ任侠映画らしくなり、いよいよここから『女賭博師』シリーズが本格的に始動したと言ってもいいかもしれない。

f0367483_17115729.jpg
とはいえ、ストーリーの基本は前作までとほぼ一緒。父親がかつて賭博の名人だったヒロインが、その父親の死によって自分も同じ道を歩んでいくことになる。ただ、今回は父親の復讐が殆ど絡まない。それよりも主軸となるのは、正義感が強くて無鉄砲な銀子と、ニヒルで不器用だが男気のある鉄の、淡いロマンスも含んだある種の師弟関係。そこに浪花節的な義理人情の人間ドラマが盛り込まれ、賭博師の仁義を賭けた戦いが繰り広げられていくことになるわけだ。

f0367483_17121587.jpg
まあ、全体的には相変わらず単純明快。最大のライバルが実は生き別れた姉だった…なんてベタな展開もご愛嬌だ。神崎組と田島組と蒲池組の立ち位置が今ひとつ分かりづらい嫌いはあるものの、幾つもの伏線を用意したストーリーは賑やかで飽きさせない。東映ヤクザ映画ばりに派手なアクションの立ち回りも用意されている。腕を切り落とすなんてバイオレンスな描写もあり。唯一、前作に比べてお色気要素が控えめになったところだけは惜しまれる。

f0367483_17120787.jpg
もちろん、江波杏子のすこぶる女っぷりの良さも健在。道場荒しならぬ賭場荒しで次々とイカサマを見抜いていく姿は貫禄があるし、恐らく吹き替えであろうとは思うが、鮮やかなサイコロさばきや花札さばきも堂に入ったもの。まさに姉御の風格だ。それでいて、男らしい鉄に密かな想いを寄せている辺りのしおらしさもキュンキュンと来る。

f0367483_17120044.jpg
で、その鉄を演じている成田三樹夫がまたカッコいい。クールでありながらも男の色気が漂うというか、高倉健とか鶴田浩二とかいった当時の東映任侠映画スターにはない艶めかしさ、男のフェロモンがダダ漏れ状態。どう考えても悪役のイメージが圧倒的に強い彼にとっては珍しいヒーロー役だが、これがなかなかどうして板についたもの。やっぱ基本的にイケメンなんだよなあ…と改めて思い知らされる。

f0367483_17122070.jpg
一方、銀子の生き別れた実の姉・秋子には宝塚出身のお姫様女優・高千穂ひづる。卑怯者の蒲池組親分には日活出身で東映ヤクザ映画でもお馴染みの待田京介。どちらも出番はあまり多くないものの重要な役柄だ。特にギラつき具合がハンパじゃない待田京介はさすがのインパクト。お上品な路線の多い高千穂ひづるはちょっと意外なキャスティングかもしれないが、当時30代半ばの女盛りということもあって、大人の色気を存分に醸し出している。

f0367483_17120484.jpg
そのほか、前作に引き続いて父親役の加藤嘉、甘いマスクで爽やか好青年ぶりを発揮する青山良彦、ずる賢い神崎組親分の小池朝雄あたりが印象的。また、銀子を我子のように可愛がる近所のおじさんとおばさんに、落語家の4代目桂米丸と浪曲師・都家かつ江が扮しており、息のあった夫婦漫才的な笑いを提供している。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考DVD情報(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/音声:1.0ch Dolby Digital Mono/言語:日本語/字幕:なし/地域コード:2/時間:86分/発売元:オフィスワイケー
特典:なし


by nakachan1045 | 2016-11-25 18:50 | 映画 | Comments(0)

カテゴリ

全体
映画
音楽
未分類

お気に入りブログ

なにさま映画評

最新のコメント

昔、NHKで見たので記憶..
by さすらい日乗 at 12:59
> さすらい日乗さん ..
by nakachan1045 at 10:21
これは、公開時に今はない..
by さすらい日乗 at 07:33

メモ帳

最新のトラックバック

venussome.co..
from venussome.com/..
venuspoor.co..
from venuspoor.com/..
venuspoor.com
from venuspoor.com
http://while..
from http://whileli..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
オペラ・ブッファの傑作で..
from dezire_photo &..

ライフログ

検索

ブログパーツ

最新の記事

「クリープス」 Night ..
at 2017-10-23 01:34
「Morte sospett..
at 2017-10-18 19:18
「A Study in Te..
at 2017-10-16 05:48
「七人の特命隊」 Ammaz..
at 2017-10-15 00:37
「サタンバグ」 The Sa..
at 2017-10-14 13:09

外部リンク

ファン

ブログジャンル

映画
ライター