なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「ロストユニバース/魔宮伝説からの脱出」 Prisoners of the Lost Universe (1983)

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監督:テリー・マーセル
製作:ハリー・ロバートソン
脚本:テリー・マーセル
   ハリー・ロバートソン
撮影:デレク・ブラウン
特殊効果:レイ・ハンソン
音楽:ハリー・ロバートソン
出演:リチャード・ハッチ
   ケイ・レンツ
   ジョン・サクソン
   ピーター・オファレル
   レイ・チャールストン
   ドーン・エイブラハム
   ケネス・ヘンデル
   フィリップ・ヴァン・ダー・ビル
イギリス映画/91分/カラー作品




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<あらすじ>
テレビの科学番組で司会を務める女性レポーター、キャリー(ケイ・レンツ)は、取材のためにハートマン博士(ケネス・ヘンデル)の研究所へ車で向かう。その途中で地震に遭遇した彼女は、ハンドルを切り損ねて機械修理工ダン(リチャード・ハッチ)の車に衝突。アポイントに間に合わないからと、謝罪もそこそこに立ち去る。
ハートマン博士は、パラレルワールドとの間を自由に行き来できる装置を発明したという。だが実証実験の最中に再び地震が発生し、博士はキャリーの目の前で消えてしまった。そこへ、車が壊れて立ち往生したダンが助けを求めに研究所へやって来る。キャリーの話を笑って聞き流すダン。そこでまたもや地震が起き、今度はダンとキャリーの2人が消えてしまう。
2人はパラレルワールドに転送されてしまったのだ。そこはヴォーニャと呼ばれる摩訶不思議な世界で、公用語のヴォーニャ語は英語と同じ。原始人やモグラ人間、ゾンビなどがウヨウヨしている。元の世界へ戻る方法を探すダンとキャリーだったが、彼らの前に悪の独裁者クリール(ジョン・サクソン)が現れ、キャリーを自分の奴隷にすべく誘拐してしまう。
残されたダンはコソ泥のマラカイ(ピーター・オファレル)やグリーンマン(レイ・チャールストン)、クリールの元愛人シャリーン(ドーン・エイブラハム)、そしてキャリーに命を救われたことから忠誠を誓う原始人(フィリップ・ヴァン・ダー・ビル)の協力を得て、キャリーを救うためにクリールの要塞へと向かうのだったが…。

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'80年代の映画界は『レイダース/失われた聖櫃<アーク>』('81)に代表される秘境アドベンチャー、『コナン・ザ・グレート』('82)に始まるヒロイック・ファンタジーがブームを呼び、世界中で数えきれないほどのパクリ映画を生み出したわけだが、これはその2大ジャンルをちゃっかりと合体させた、言うなれば1粒で2度美味しいSFファンタジー・アドベンチャー。ただし、恐らく予算は『レイダース』の1000分の1以下だ。

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とりあえず、見た目のショボさは如何ともしがたい。独裁者クリールの要塞は掘っ立て小屋に毛が生えたような代物だし、どこぞの自然公園でロケしたであろう秘境アドベンチャーにしたって、せいぜい半径1キロくらいをグルグル回っているだけという感じ。特撮だって原始的なオプチカル効果をちょこっと使っている程度だ。スケール的には秘境アドベンチャーというよりも裏庭アドベンチャー。ノリとしては、'40~'50年代のモノグラム映画やリパブリック映画のB級冒険活劇だ。

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その一方で、モグラ人間やらゾンビ軍団やらが次から次へと登場し、危機また危機の賑やかなストーリー展開で見せていく旺盛なサービス精神は悪くない。まあ、全体的にテンポはかなり緩いので、さすがにドキドキハラハラのスリル満点!とまではいかないものの、この能天気な明朗快活さは嫌いじゃない。さらに、マッチョで単細胞だけれど勇敢で頼りになるヒーローと、男勝りで鼻っ柱が強いけどドジで憎めないロイス・レイン的なヒロインによる、スクリューボール・コメディ的なロマンスも楽しい。股間を蹴り上げると同時にチーン♪なんて効果音を鳴らしてしまうベタなギャグも満載。そういうおバカなセンスも含めて、どうもフレッド・オーレン・レイ作品と同じような匂いがするのだよね。いい意味で(笑)。

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監督のテリー・マーセルと製作のハリー・ロビンソンは、'80年代のヒロイック・ファンタジー・ブームを先駆けたカルト映画『ホーク・ザ・スレイヤー/魔宮の覇者』('80)を手掛けたコンビ。マーセル監督はその後も、『タイフーン・ジェーン/アブアブの秘宝』('88)やらテレビシリーズ『ファンタジークエスト』('00)やらと、ひたすらアドベンチャー・ファンタジー映画ばかりを撮っているので、このジャンルにはことのほか思い入れがあるのだろう。なお、ロビンソンの本業は映画作曲家で、『鮮血の処女狩り』('71)や『ドラキュラ血のしたたり』('71)など数多くのハマー・プロ作品で音楽スコアを手掛けている。

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主演は伝説的なSFドラマ『宇宙空母ギャラクチカ』('78~79)の主人公アポロ大尉役で有名なリチャード・ハッチと、ジャン・マイケル・ヴィンセントと共演した『爆走トラック'76』('75)で知られる女優ケイ・レンツ、そして悪役には『燃えよドラゴン』('73)や『エルム街の悪夢』('85)などでお馴染みのジョン・サクソン。香しいくらいにB級感がプンプンと漂うキャスティングですな(笑)。中でも、恐らく『スーパーマン』('78)シリーズのロイス・レイン=マーゴット・キダ―をお手本にしたであろう、ケイ・レンツのコミカルなお転婆ぶりは結構好き。

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そのほか、マーセル監督の『ホーク・ザ・スレイヤー/魔宮の覇者』にも出ていたピーター・オファレルとレイ・チャールストンが、同作と似たようなコミック・リリーフとして登場。悪漢クリールを裏切る愛人の美女シャリーンを演じるドーン・エイブラハムは、C級戦争映画「デッドリー・プレイ/地獄のプラトーン』('87)にも出ていた。

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評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ&DVD情報(イギリス盤)
ブルーレイ
カラー/ワイドスクリーン(1.66:1)/1080p/音声:2.0ch リニアPCM Mono/言語:英語・フランス語/字幕:なし/地域コード:ALL/時間91分
DVD
カラー/ワイドスクリーン(1.66:1)/音声:2.0ch Dolby Digital Mono/言語:英語・フランス語/字幕:なし/地域コード:ALL/時間:91分
発売元:Screenbound (2015年)
特典:オリジナル劇場予告編

by nakachan1045 | 2017-02-13 05:26 | 映画 | Comments(0)

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