なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「ザ・ニンジャ/復讐の誓い」 Pray for Death (1985)

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監督:ゴードン・ヘスラー
製作:ドン・ヴァン・アッタ
脚本:ジェームズ・ブース
撮影:ロイ・H・ワグナー
格闘技指導:ショー・コスギ
音楽:トーマス・チェイス
   スティーヴ・ラッカー
出演:ショー・コスギ
   ジェームズ・ブース
   ドナ・K・ベンツ
   マイケル・コンスタンティン
   ノーマン・バートン
   ケイン・コスギ
   シェーン・コスギ
   ロバート・イトー
アメリカ映画/98分/カラー作品




<あらすじ>
日本の横浜に住む平凡な会社員アキラ(ショー・コスギ)は、アメリカ生まれの妻アイコ(ドナ・K・ベンツ)のたっての願いで、会社を辞めて家族でアメリカへ移り住みビジネスを始めることにする。しかし、彼には心残りがあった。
家族には秘密にしているものの、実はアキラは幼い頃から忍者として訓練されて育ったのだ。しかし、ある時義兄弟であるショージが一門を裏切り、それを知ったアキラは戦いの末に彼を殺してしまった。それ以来、忍者であることを封印してきた彼は、このまま新天地のアメリカへ渡っていいものか悩む。そこへ現れた養父で師匠でもあるカガ(ロバート・イトー)は、いつまでも過去を引きずっていてはダメだと諭し、アキラのアメリカ行きを後押しするのだった。
妻や長男タケシ(ケイン・コスギ)、次男トモヤ(シェーン・コスギ)を伴ってアメリカへと降り立ったアキラ。サムという老人が所有する古いレストランを買い取り、そこを改装して日本料理店を開業するつもりだった。ところが、実際に行ってみるとそこは荒れ果てたスラム街。周辺は浮浪者やチンピラがたむろし、治安はかなり悪そうだった。
この地域一帯を仕切っているのはニューマン(マイケル・コンスタンティン)というマフィアのボス。実は闇取引で手に入れた宝石を、廃墟になったサムのレストランに隠していたのだが、何者かがそれを盗み去ってしまう。ニューマンの右腕である冷血な殺し屋ライムハウス(ジェームズ・ブース)は、サムが盗んだものとみて店を引き払った彼を拉致。拷問の末に殺してしまうが、宝石は出てこなかった。そこで、彼はアキラが宝石の在処を知っているものと睨む。
そんなこととはつゆ知らず、念願の日本食レストランを開店して喜びに沸くアキラと家族たち。すると、次男トモヤがライムハウス一味に誘拐され、所定の倉庫へ宝石を持ってくるよう脅迫電話が入る。しかし、アキラにとって宝石のことなど寝耳に水だ。約束の時間に倉庫へ現れたアキラは拷問を受けるものの、隙を見てトモヤを救って逃げる。
翌日、妻の説得でアキラは警察へ相談に訪れ、家族の保護を求める。しかし、担当のアンダーソン刑事(ノーマン・バートン)は、アキラの協力がなければ保護は出来ない、いやならば個人でボディガードを雇えばいいと言い放つ。犯罪者と関わり合いになりたくないアキラだったが、アンダーソン刑事の条件を呑む以外に選択肢はなかった。
一方、どうやら宝石を盗んだのはアキラではないと気付いたライムハウスだったが、こちらの素性がバレてしまったからには黙っておれない。そこで彼は手下を使ってアキラの家族を狙う。アメリカの警察が信用できないと分かった今、果たしてアキラはどうやって家族を守るのか…?


'80年代のアメリカ映画界(といっても殆どB級映画ばかりだけど)を吹き荒れたニンジャ映画ブーム。もともと'80年に全米放送された超大作ミニシリーズ『将軍』の大ヒットにより、アメリカでは時ならぬ日本ブームが訪れていたわけだが、具体的にニンジャ映画人気の口火を切ったのはB級映画の殿堂キャノン・フィルムが発表したフランコ・ネロ主演の『燃えよニンジャ』('81)。これが予想外のスマッシュヒットを記録したことから、一気にニンジャ映画ブームに火が付いたのだ。

すぐに続編の『ニンジャⅡ/修羅の章』('82)が企画されたものの、肝心のフランコ・ネロが再登板を拒否。そこで、1作目で悪役の忍者に扮してスタント演技が高く評価されたショー・コスギを主役兼武術指導として迎えることに。以降、ショー・コスギはニンジャ映画のトップ・スターとして華々しく活躍することになる。

で、本作はコスギがキャノンを離れて撮った通算4作目の主演作。ストーリーは殆ど『狼よさらば』('74)の焼き直しだ。実際、本作の直後にデス・ウィッシュ・シリーズ3作目に当たる『スーパー・マグナム』が公開されているのだが、大都会の荒廃したスラム街を舞台にしている点などソックリ。まあ、当時のアメリカ都市部は住宅地のスラム化が進み、治安の悪化が社会問題になっていた時期なので、偶然と言えば偶然なのかもしれないが、少なくとも基本プロットに関しては『狼よさらば』を下敷きにしているであろうことは明白だ。

なので、初めからストーリーの先は見えているし、実際に予想したとおりに話は進んでいく。以降もたびたびショー・コスギと組むことになるゴードン・ヘスラー監督の演出は、良く言えばツボを心得た職人の仕事だが、悪く言えば型通りのマンネリ仕事。まあ、この種のB級アクション映画は何も考えずに楽しめることが重要だったりするので、そういう意味では定番のリベンジドラマに仕立てたのは正解なのかもしれないが。

最大の見せ場はクライマックスの殺し屋ライムハウスとの一騎打ち。執拗に急所ばかりを狙うライムハウスのネチネチとした悪漢ぶりが秀逸で、やはりアクション映画は悪人がとことん憎たらしくなきゃいかんな!と改めて思わされる。演じるのは脚本を兼ねたイギリス俳優ジェームズ・ブース。もともとは『ズール戦争』('63)とか『大列車強盗団』('67)とか一流映画の名脇役だった人だが、この頃から低予算B級映画まっしぐらになってしまった。なので、もしかすると行き詰ったキャリアを打開すべく脚本家としての活路を模索していたのかもしれない。いずれにしても、本作のショー・コスギとの死闘はなかなかの名シーンだ。

アキラの妻アイコを演じているドナ・K・ベンツは、名匠ジョン・フランケンハイマーが日本を舞台に撮影した異色アクション『最後のサムライ/ザ・チャレンジ』('82)にも紅一点で出ていた女優さん。マフィアのボスを演じているマイケル・コンスタンティンは、60年代にTVのシットコムで活躍した人気コメディアンだ。

なお、本作は主な舞台がアメリカであるため、勘違いも甚だしいようなエキゾチック・ジャパンはそれほど登場しないが、それでも冒頭の横浜を舞台にしたシーンに出てくる奇妙な日本家屋はさすがといった感じ(笑)。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(2.35:1)/1080p/音声:2.0ch リニアPCM STEREO/言語:英語/字幕:英語/地域コード:A/時間:98分/発売元:Arrow Video (2016年)
特典:R指定バージョン(94分)/ショー・コスギのインタビュー「Sho and Tell Part 1: Birth of a Ninja」(約19分)/'85年当時のテレビインタビュー「Sho Kosugi on Martial Arts Form」(約19分)/ショー・コスギ映画オリジナル予告編ギャラリー

by nakachan1045 | 2017-02-14 18:05 | 映画 | Comments(0)

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