なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「ロボハンター/霊幻暗黒團大戦争」 Robo Vampire (1988)

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監督:ジョー・リヴィングストン
製作:トーマス・タン
脚本:ウィリアム・パーマー
撮影:アンソニー・マン
アクション監督:ブルース・ジャクソン
特殊効果:フランク・ウォルトン
音楽:イアン・ウィルソン
出演:ロビン・マッキー
   ニアン・ワッツ
   ハリー・マイルズ
   ジョー・ブラウン
   ニック・ノーマン
   ジョージ・トリポス
   デヴィッド・ボーグ
   ダイアナ・バーン
   アラン・ドルーディ
香港・アメリカ合作/91分/カラー作品




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<あらすじ>
麻薬捜査官トム(ロビン・マッキー)の辣腕に悩まされる犯罪組織のボスは、キョンシーを操る道士を仲間に引き入れ、キョンシーの体内に麻薬を詰めこんで密輸するという画期的なアイディアを思いつく。ところが、組織のチンピラ2人が誤ってキョンシーを蘇らせてしまう。
なんとかキョンシーたちを抑え込んだ道士は、新たなキョンシー軍団を組織するが、そこへクリスティーンという女性の幽霊が現われる。死後の世界で結ばれることを約束した恋人ピーターが、道士によってキョンシーにされてしまったからだ。恋路を邪魔されたことに怒るクリスティーンをなだめるため、道士は彼女とピーターを結婚させることに。ただし、自分の指示に従うことが条件だった。
キョンシー軍団を従えて麻薬捜査官たちを襲撃する犯罪組織。手から銃弾を発射し、瞬間移動をし、銃撃されてもビクともしないキョンシーを相手に、トムを含む麻薬捜査官たちは一網打尽にされてしまう。腕利きのトムを失うには惜しい。そこで、上司は彼をロボット警官として蘇らせることにする。
一方、女性麻薬捜査官ソフィーが犯罪組織の二番手リチャードに捕らえられてしまう。そこで、上司は有能な捜査官レイをソフィーの救出に向かわせる。仲間たちを集めて武装グループを組織したレイだったが、ジャングルの奥地で次々と敵の迎え討ちに遭って苦戦する。
その頃、キョンシー軍団と壮絶な戦いを繰り広げるロボット警官だったが、バズーカ砲を受けて木っ端みじんに。しかし、心臓部が無事だったこともあってすぐに修理完了し、キョンシーの巣窟である寺へと足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは幽霊クリスティーンと、ゴリラのような姿のキョンシー、ピーター。ピーターは香港の街中へと逃走し、ロボット警官はそれを追う。そして、ジャングルではレイたちが犯罪組織のアジトへと迫り、寺院ではクリスティーンが道士と一騎打ちを繰り広げていた…。

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とりあえずこのポスター、ちょっと嘘つき過ぎですね(笑)。こんなカッコいいロボットもヘリコプターも出て来やしないんだから。制作元は'80年代にとんでもバカ映画を数多く世に送り出し、運悪く見る羽目になった良心的な映画ファンを呆れかえらせつつも、一部の好事家から熱狂的(?)に愛された、知る人ぞ知る香港のC級映画会社フィルマーク。フィリピンやタイ、韓国などから売り物にならないガラクタ映画を二束三文で買いつけ、それらに超低予算で独自に追加撮影したフィルムをつぎはぎして足し、当時人気だったニンジャ映画やキョンシー映画などに仕立て上げ、国外マーケットへ売りさばくという効率的(?)なビジネスモデルを確立。数々のディストリビューターや観客を騙してぼろ儲けした伝説の会社だ。そんなフィルマークの作品群にあって、恐らく最も知名度の高い映画がこの『ロボハンター/霊幻暗黒團大戦争』である。なにしろ、'88年の香港電影博招待作品なんだから!!
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で、中身はというとズバリ(?)『ロボコップ』×『キョンシー』。実に分かりやすい。そろそろニンジャ映画もネタが尽きてきたし、次はキョンシー映画とかよくない?なんか『霊幻道士』シリーズとか人気あるみたいだしさ。あ、どうせなら今バカ売れの『ロボコップ』と合体させちゃうとか。いやそれ、絶対受けるでしょ!なんていうフィルマーク社長トーマス・タンのドヤ顔がありありと目に浮かぶようだ。いや、ぶっちゃけトーマス・タンがどんな顔しているのかは知りませんが(笑)。いずれにせよ、清々しいくらいに単純明快な発想。麻薬組織が不死身のキョンシー軍団を操って警察を一網打尽にするわけだが、殺された腕利き捜査官トムがこちらも不死身のロボコップとして甦り、反対に麻薬組織とキョンシーたちを蹴散らしていくというわけだ。
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で、実は本作にはもう一つのメインストーリーがある。それが、麻薬組織に拉致された女性捜査官の救出劇。もう一人の腕利き捜査官レイが、素性のよく分からない仲間たちを引き連れてジャングルの奥地へと分け入り、敵のアジトを襲撃して女性捜査官を救い出す。一応、ロボコップVSキョンシーと同時進行で話が展開し、同じ麻薬組織を相手に戦っていることにはなっているのだが、こちらの話には最後までロボコップもキョンシーも絡んでこない。それもそのはず、この『ランボー』もどきの密林アクションはタイ映画からの流用なのだ。とりあえず、香港側の一部キャラとタイ側の一部キャラがあたかも会話しているような編集をするなどの工夫は凝らされているものの、なにしろフィルムの質感が違うので別の映画であることは一目瞭然。まあ、フィルマーク社映画ではごく当たり前の光景ではあるのだが。
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さらに本作、中盤で唐突にキョンシーと女幽霊の悲恋ドラマが挿入され、まるで『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』みたいな様相すら呈していく。なんとも贅沢というか、欲張りというか、支離滅裂というか(笑)。売れそうな要素は手当たり次第にぶっ込んどけってことなのだろう。しかも、この女幽霊クリスティーンと相思相愛のキョンシー、ピーター君、どういうわけだかゴリラマスクを被っているんですな。そうでもしないと、他のキョンシーと区別がつかないからってことなのだろうけど、なぜよりによってゴリラなのか?もちろん、最後までその謎が解明されることはない。
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かくして、実は『ロボコップ』×『キョンシー』×『ランボー』×『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』だった本作。ハイテクなはずのロボコップの改造技術が日曜大工レベルだったりとか、そもそもロボコップの造形がどう見ても銀色の消防服を着たお兄さんだったりとか、中身が白人の捜査官だったはずなのによく見るとアジア人にすり替わっていたりとか、とにかく突っ込みどころは枚挙にいとまない。いきなり麻薬組織のボスが「今日からキョンシー使いの道士を雇ったから」と言い出しても部下の誰一人として驚きもしないし、捜査官死んじゃったからロボットにしましょう!ってその場で長官のオーケーが出ちゃうしね。なんじゃそりゃ、ですよ。とにかくムチャクチャなことこの上ないのだけれど、どういうわけか奇跡的に面白い映画に仕上がっている。もちろんバカ映画として。数撃ちゃ当たるってことなんだろうが、それにしてもフィルマーク、侮るべからずだ。
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なお、ジョー・リヴィングストンなる人物が監督としてクレジットされているものの、香港パートの演出を手掛けたのはフィルマーク社製ニンジャ映画でお馴染みのゴッドフリー・ホー監督。キャストとしては『五毒拳』のスン・チェンもギャング一味として顔を出しているのだが、クレジットに名前が見当たらないところを見ると、恐らく出演者の名前はみんな適当に捏造されているのだろう。ま、誰が誰だか分からなくても気にする人もいないだろうしね。ちなみに、フィルマークは本作のロボットスーツとキョンシーを再利用し、翌年に『ロボ道士・エルム街のキョンシー』('89)なる映画を作っている。
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評価(5点満点):★★☆☆☆
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参考DVD情報(アメリカ盤)
カラー/スタンダードサイズ(1.33:1)/音声:Dolby Digital Mono/言語:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/時間:91分/発売元:VideoAsia (2010年)

by nakachan1045 | 2017-04-04 02:54 | 映画 | Comments(0)

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