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なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「スーパーGUNレディ ワニ分署」 Super Gun Lady: Police Branch 82 (1979)

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監督:曽根中生
製作:三浦朗
原作:篠原とおる
脚本:荒井晴彦
   高田純
   曽根中生
撮影:水野尾信正
ガンアクション:トビー門口
音楽:松本健
出演:横山エミー
   ジャンボかおる
   岸田森
   佐藤慶
   山谷初男
   深水龍作
   今井健二
   益富信孝
   安岡力也
   古尾谷雅人
   風間健
友情出演:内田裕也
日本映画/96分/カラー作品




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<あらすじ>
主に公務員の犯罪摘発や防止を行う警察庁の秘密部署・資料調査室分室、内線番号82、通称「ワニ分署」。女性捜査官・火野三夏(横山エミー)は、航空機輸入の汚職疑惑に関与した大手商社の常務・田島を監視していたが、その田島が投身自殺に見せかけて殺されてしまう。そこで上司の緒方室長(岸田森)は、新たに配属された屈強な女性捜査官・加倉リン(ジャンボかおる)を三夏と組ませることにする。
2人は田島と同性愛の愛人関係にあった若者・英二(高瀬将嗣)をマークする。英二は死んだ田島とその上司である副社長・武部(河村弘二)が軍隊時代に同性愛の関係にあったことを知り、それをネタに武部を恐喝していたのだが、尾行する三夏とリンの目の前で2人組の男に殺される。男たちを追った2人はその片割れを捕まえるが、目を離したスキに男は相方の下川(風間健)に殺された。その下川を追跡した三夏らは、「維新塾」という極右団体のアジトにたどり着く。
「維新塾」は有名な軍事評論家・小野寺(佐藤慶)が運営する国際問題研究所の関連組織だった。小野寺の事務所に忍び込んだ三夏とリンだったが、「維新塾」のメンバーと激しいカーチェイスの末に三夏が連れ去られてしまう。
敵の隠れ家の一室で監禁され、来る日も来る日もシャブ漬けにされた上にレイプされ続けた三夏は廃人同然に。薬と引き換えに自白を強要された彼女は、自分が「ワニ分署」の捜査官であることを吐いてしまう。もはや三夏を用済みと見た小野寺は、部下に命じて「夢の島」のゴミの山で彼女を殺させようとするが、そこへリンが駆け付け三夏を救出する。
汚職疑惑を巡って武部副社長が国会喚問されることとなった。政界の黒幕から事態を収めるよう念を押された内閣調査室の雨宮(今井健二)は、マスコミや世間の注目を汚職疑惑から逸らすため、護送中の凶悪犯・加藤兄弟(深水龍作・古尾谷雅人)と戸田(内田裕也)を脱獄させ、銀行襲撃事件を起こすように仕向ける。さらに雨宮は「ワニ分署」の緒方室長にも圧力をかけ、三夏とリンを犯人逮捕のため現場へ潜入させるよう命じた。両者の相討ちを狙った罠だった。
緒方室長から真相を知らされた三夏とリンは、それでも人質を救うために、あえて敵の罠へ飛び込むことにする。激しい銃撃戦の末に凶悪犯たちを射殺した2人。しかし、雨宮たちの思惑通り世間の注目は銀行襲撃事件に集まり、汚職疑惑は武部副社長の逮捕で幕を閉じてしまう。すると、緒方室長は三夏とリンの2人に休暇を命じる。その間に何をしようが構わない、ヘマさえしなければ、と…。
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『さそり』シリーズや『0課の女』シリーズでお馴染み、篠原とおるによる劇画の映画化。といっても、原作については世代じゃないこともあってよく知らない。まあ、そもそも映画を鑑賞する上で原作の知識なんて全く必要ないし、もし必要なのだとしたらそれは映画として成立していないことの証だし、だったら原作ファンの間でだけこっそり見ておけって話にしかならないので、知らなくとも問題はないでしょう。以上、原作を読んでから映画版を批評しろというバカがたまにいるので、ちょっとばかり愚痴ってみました(笑)。
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それはさておき、日活ロマンポルノ出身の曽根中生監督が手掛けた本作、世間的なあまり評価は芳しくないし、当時の興行成績も当たったとは言い難いようだが、個人的にはなかなか結構楽しめた。'70年代の日本映画らしい、下世話なお色気と粗暴なアクションが盛りだくさん。だいたい、主人公の女刑事コンビの顔合わせが、すれっからしの元ヤンみたいなセクシー美女と、女子プロレスラーみたいに図体がデカくて喧嘩っ早いゴリラ女ってのもいい。それこそ、東映ピンキー・バイオレンスなんぞを好む向きには退屈しないはずだ。
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確かに脚本の出来はかなりいい加減だ。だいたい、航空機の不正購入を巡る権力の陰謀の構図が最後までイマイチよく分からない。極右団体に拉致され殺されかけた三夏を相棒リンが救出に駆け付けるシーンも、どうやってリンが敵の隠れ家を突き止めて尾行したのか、その過程がザックリと省略されている。内閣調査室の雨宮の差し金によって脱獄した3人の凶悪犯が、汚職疑惑から世間の目を逸らすために銀行強盗を働く下りでも、極右団体のボス・小野寺が「拳銃は君たちが信頼できると分かったら渡す」なんて言ってたくせに、次のシーンでは3人とも拳銃やらライフルやらを手にしている。ディテールの描写を全く気にしている様子がない。
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恐らく、そもそも脚本の整合性や合理性など最初から放棄していたのだろう。そんなことよりも重要なのは、限られた上映時間内にどれだけセックスとバイオレンスを詰め込むことが出来るのか。そういう意味では合理的な脚本だ。2本立てプログラムピクチャーとして、これは必ずしも間違った姿勢ではない。例えば、上記のリンが三夏を救出するシーン。ゴミだらけの夢の島の地平線の向こうから猛スピードで車が突進して来て、ドアをあけ放った運転席から身を乗り出すリンが、車を操縦しながらバンバン拳銃をぶっ放す様子をワンカットで捉える。確かに展開は唐突かもしれないが、ビジュアル的には十分おいしい。ディテールよりもインパクトを選んだ結果、と考えれば納得も出来るだろう。
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インパクトと言えば、三夏の運転する車が民家に突入するオープニング・シーンもなかなかのもの。夕飯時の一家団欒。お父さんはテレビのナイター中継に夢中で、お母さんは「ご飯食べたら勉強しなさい」と年頃の娘に小言をチクリ。そんなどこにでもあるお茶の間の光景のど真ん中に、いきなり暴走車が突っ込んでくる。運転席から出てきたのは、いかにも「やってらんねーわー」といった感じでフラフラした足取りの女刑事・三夏。この横山エミーによる、演技なのか素なのか全く分からないふてぶてしさが素晴らしく秀逸だ。タイトルバックで描かれる日常生活もズボラそのもの。しかも、その一挙一動のだらしなさに演技とは思えない説得力がある。いっとき「汚ギャル」なんて言葉が流行ったが、まさにその先駆けみたいなもんだ。
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で、そんな三夏が極右団体によって拉致され、シャブ漬けにされた上でレイプされまくる壮絶なシーンが前半のハイライト。なんたって、いきなり安岡力也のゴールデンシャワーだからね(笑)。ションベンまみれの汚物まみれで、素っ裸のままのたうち回る横山エミー。しまいにゃシャブが頭に回ってケタケタ笑い始める始末ですよ。画面から悪臭の漂ってきそうなレイプも凄まじい。横山エミー、まさに体当たりの大熱演。しかも、挙句の果てには夢の島のゴミ山に全裸で放り込まれるのだが、まじで体中に本物の蠅がたかってるんだからビックリ。この人、演技力はよく分からんがプロ根性だけは一人前だ。
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そんな横山に対して、関西弁丸出しの豪快なオバチャンキャラで突っ走るのが、元女子キックボクサーのジャンボかおる。半ば棒読みのセリフ回しなど、お世辞にも演技が上手いとは言えないものの、アクション・シーンでの俊敏な立ち回りはさすがアスリートだ。体はデカいが足は速いしね。ぱっと見はブスだけどよく見るとチャーミング。なんだか、いろいろと憎めない。
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そして、後半の見せ場といえばなんたって銀行襲撃シーンでしょう。銀行員たちを人間の盾にして立てこもる卑劣な凶悪犯たち。中でも、内田裕也と古尾谷雅人のキレっぷりが最高だ。反権力の革命精神をとくとくと説いたかと思えば、銀行員を一人一人逃がすふりしてライフルでぶち殺していく元左翼活動家の内田裕也。舌をベロベロ出しながらのアホ面を晒し、女子行員を裸にひん剥いて凌辱の限りを尽くすド変態の古尾谷雅人。もう完全に狂ってます(笑)。そんな連中を相手に銃撃戦を演じる横山エミーとジャンボかおる。どことなく素人臭いドタバタしたガンプレイは、こいつらでマジ大丈夫か?という不安を煽ってむしろリアルだ。そうかと思えば、無駄に横山エミーのパンチラを強調するサービスショットもたっぷり。真面目なんだかふざけてるんだかよく分かりません(笑)。
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そうそう、そういえばチリチリパーマの山谷初男ってのも軽く衝撃的。何事かと思いましたよ(笑)。あとは、部下想いの室長を演じる岸田森も、あまり目立たないけど地味にクール。実はこいつも陰謀に一枚噛んでたりして…なんてちょっとハラハラしたけど、最後までいい上司で安心いたしました。佐藤慶の厭らしい悪役ぶりも安定感抜群。そんなこんなで、日本版グラインドハウス・アクションとして普通に面白いB級エンターテインメントである。
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評価(5点満点):★★★☆☆

参考DVD情報(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン(2.35:1)/音声:2.0ch Dolby Digital/言語:日本語/字幕:なし/地域コード:2/時間:96分/発売元:日活株式会社/株式会社ハピネット
特典:劇場予告編/封入解説慮/フォトギャラリー



by nakachan1045 | 2017-11-23 12:13 | 映画 | Comments(0)

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