なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「続・恐竜の島」 The People That Time Forgot (1977)

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監督:ケヴィン・コナー
製作:ジョン・ダーク
製作総指揮:サミュエル・Z・アーコフ
原作:エドガー・ライス・バローズ
脚本:パトリック・ティリー
撮影:アラン・ヒューム
特殊効果:ジョン・リチャードソン
     イアン・ウィングローヴ
音楽:ジョン・スコット
出演:パトリック・ウェイン
   サラ・ダグラス
   ダナ・ギレスピー
   ソーリー・ウォルターズ
   シェーン・リマー
   トニー・ブリットン
特別出演:ダグ・マクルーア
イギリス・アメリカ合作/90分/カラー作品




<あらすじ>
タイラー(ダグ・マクルーア)がカプロナ島の岸壁から海へカプセルを投げて3年後、河岸に漂着した手紙で彼の生存を知った海軍は、タイラーの親友マクブライド少佐(パトリック・ウェイン)をリーダーに救助隊を差し向ける。船には生物学者ノーフォーク博士(ソーリー・ウォルターズ)や女性記者チャーリー(サラ・ダグラス)も乗船していた。
カプロナ島の氷山へ到着した一行は、そこから水陸両用の飛行艇で島へ上陸することに。マクブライド少佐とノーフォーク博士、チャーリー、そして飛行士ホーガン(シェーン・リマー)が飛行艇に乗り、ロートン船長(トニー・ブリットン)ら船員たちは彼らの帰りを待つことにする。
翼竜プテロダクティルスに襲われたものの、なんとか島の丘陵に不時着した飛行艇。しかしプロペラが破損したことから、ホーガンは修理のためその場に残ることとなる。島の奥へと進んだマクブライド少佐らは、その途中で恐竜に襲われた原始人の若い娘を救出。彼女の名前はアジョー(ダナ・ギレスピー)といい、タイラーから英語を学んでいた。
アジョーによると、タイラーはナーガ族にさらわれたという。彼女の案内でタイラーの足取りを追う一行。いきなり現れた野蛮人の群れに捕らわれたものの、アジョーの機転で脱出に成功した彼らは、鎧兜に身を包んだナーガ族の騎馬軍団と遭遇する。彼らもまたタイラーに英語を学んだという。
騎馬軍団によって彼らの本拠地・ドクロ城へと連れて行かれる一行。そこでマクブライド少佐とノーフォーク博士は牢屋に入れられ、チャーリーとアジョーはドクロ城の魔王サバラ(ミルトン・リード)によって火山神の生贄にされることとなった。
牢屋でタイラーと再会したマクブライド少佐らは隙を見て脱出し、今まさに生贄にされるところのチャーリーとアジョーを救出。しかし、魔王を殺したことが火山神の怒りを招き、たちまち凄まじい勢いで火山が噴火を始める。騎馬軍団の執拗な追跡と降り注ぐ火山弾、行く手に立ちはだかる恐竜たちを次々とかわしながら、島から脱出するため飛行艇へと向かう一行だったが…。

同じ監督・主演コンビによる『地底王国』('76)を挟んで作られた『恐竜の島』('74)の続編。ただし、今回はタイラー役のダグ・マクルーアが特別ゲスト扱いで脇へ回り、その親友マクブライド少佐を演じるパトリック・ウェインが主演としてクレジットされている。さらに、本編完成後に制作会社アミカス・プロが経営破綻してしまったため、アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズの作品として劇場公開された。

ストーリーは前作から3年後。タイラーの生存を知った海軍が、マクブライド少佐をリーダーに救援隊を派遣する。前半は『恐竜の島』と同じく太古の恐竜や猿人・原始人が次々と登場する秘境アドベンチャー。前作ではハンドパペットとミニチュアを使ったスクリーンプロセス合成が主だったが、今回は実物大のハリボテ恐竜を登場させるシーンが格段に増えており、前作以上に遊園地のアトラクション的な楽しさが味わえる。やっぱり、いくら動きが鈍くてショボいハリボテ恐竜とはいえ、実際に触れ合うことのない合成処理よりも「人間と恐竜の共演」というリアル感はあるもんなあ。しかも、ハンドパペットの恐竜もちゃんと呼吸器が動いたりして前作より作りが精巧。恐らく予算もそれなりにアップしたのだろう。

で、後半になるとガラリと路線が変わる。劇場公開当時も話題になった鎧武者風騎馬軍団の登場ですな。日本の時代劇にインスパイアされているであろうことは明らか。これがカプロナ島の進化体系とどう関係しているのかは分からないし、そもそも本作では進化云々の話がすっかりどこかへ行っちゃっているのだけれど(笑)。ドクロ城だの生贄だのチャンバラだのと、すっかり雰囲気は『コナン』的なヒロイック・ファンタジー。あれ、バローズの原作ってこんなんだっけ?といった感じだ。

しかも、ラストはまさかの前作と同じ火山オチ。とりあえず、最後はド派手に火山を爆発させておけばオッケーってことでしょうか(笑)。ただし、容赦なく降り注ぐ火山弾の数は前作と比べ物にならないほど多く、逃げまどう役者たちが怪我しないか見ていて心配になるほどだ。もちろん、足元にはカメラから見えないよう移動する順番が記されているので、誤って爆薬に巻き込まれるような心配はないのだが。いずれにせよ、そのスケール感とスリル、迫力はなかなかのものである。

特殊効果を担当したのは『エイリアン2』('86)や『ハリー・ポッター』シリーズで有名な大御所ジョン・リチャードソンと、『ダーク・クリスタル』('82)や『ミッション・インポッシブル』('96)のイアン・ウィングローヴ。ラストの火山噴火シーンはリチャードソンの仕事だ。スクリーンプロセス合成は前作に引き続いてチャールズ・スタッフェル。ドクロ城のデザインは『ベケット』('64)と『1000日のアン』('69)でオスカー候補になったモーリス・カーターなのだが、いかにも書き割りのイラストですよ!って感じなのが微笑ましいというか、トホホというか(笑)。もうちょっと上手いこと誤魔化せなかったのかねえ(^^;

先述したように、主演はダグ・マクルーアではなくてパトリック・ウェイン。そう、アメリカの国民的大スター、ジョン・ウェインの息子だ。父親よりも甘いマスクのハンサム、しかしマッチョな肉体はしっかり父親譲り。二世俳優としてはかなり好条件の揃った逸材だったのだが、目立った主演作は本作と『シンドバッド虎の目大冒険』('77)くらいしかなかった。なんだろ、イケメンだけにちょっと線が細いのかな。パパも若い頃はそうだったしね。後半では特別ゲストのダグ・マクルーアとダブル・ヒーローのような構図になるのだが、髭を伸ばしてワイルドになったマクルーアの男臭さにすっかり存在感負けしている。

一方、今回は前作の紅一点スーザン・ペンハリゴンがわりと地味だったのに対し、華のある女優が2人も揃っているところがいい。鼻っ柱の強い女性記者チャーリー役には、翌年の『スーパーマン2』('78)でも注目されたサラ・ダグラス。いわゆる進歩的で自立した職業婦人という役どころで、気の強い女を煙たがるマクブライド少佐と対立しながらもお互い惹かれあっていくことになる。

それとは対照的に、ふくよかな胸の谷間も露わなセクシー原始人ギャル、アジョー役を演じるのが、デヴィッド・ボウイの秘蔵っ子だった歌手ダナ・ギレスピー。フォーク系シンガー・ソングライターにあるまじき(?)美貌はデビュー当初から注目されてたのだが、彼女自身もそうした需要を十分に理解していたらしく、本作のような露出度の高い色添え仕事も平気で引き受けていたという。そんな彼女とサラ・ダグラスはすっかり意気投合したらしく、悪ガキがそのまま大人になったダグ・マクルーアも交えて、撮影後に3人で酒を飲んでどんちゃん騒ぎしたり、現場でスタッフや共演者にイタズラして困らせたりと、えらいヤンチャぶりを発揮したそうだ。

なお、前作が基本的にシェパートン・スタジオおよびその周辺で撮影されたのに対し、本作では屋外シーンをスペインのカナリア諸島でロケしている。ラストの火山噴火シーンでは事前に地元住民への告知がされていなかったため、本当に火山が噴火したものと勘違いする人が続出したらしい。そりゃ、あれだけ沢山の爆薬をバンバン爆発させて、周辺一帯に煙がもうもうと立ち込めれば、誰だってビックリして慌てますでしょうよ(笑)。

というわけで、わりとシリアスな作風だった前作に比べると、かなりライトでコミカルになった印象。そういう意味では、より一層のことファミリー・フレンドリーな作品に仕上がっている。まあ、バローズの原作『時間に忘れられた人々』を大胆に脚色し過ぎたストーリーはぶっちゃけバカバカしいけど、こうしたリアリズムとはほぼ無縁の荒唐無稽さもまた、'70年代頃までの空想活劇映画の無邪気な魅力ではあるからね。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/1080p/音声:2.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語/字幕:なし/地域コード:A/時間:90分/発売元:Kino Lorber/Scorpion Releasing/20th Century Fox/MGM
特典:ケヴィン・コナー監督とブライアン・トレンチャード・スミス監督による音声解説/サラ・ダグラスのインタビュー(21分)/ダナ・ギレスピーのインタビュー(24分)/オリジナル劇場予告編



by nakachan1045 | 2017-12-04 19:29 | 映画 | Comments(0)

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