なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「殺人マシーン/デストロイヤー」 Destroyer (1988)

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監督:ロバート・カーク
製作:ピーター・ギャリティ
   レックス・ホーク
製作総指揮:ジョセフ・イグナット
脚本:レックス・ホーク
   ピーター・ギャリティ
撮影:チュイ・エリゾンド
特殊効果:ティム・ダーネック
音楽:パトリック・オハーン
出演:デボラ・フォアマン
   クレイトン・ローナー
   ライル・アルゼイド
   アンソニー・パーキンス
   トバイアス・アンダーソン
   ラニー・ギャレット
   ジム・ターナー
   パット・マホニー
   デヴィッド・クリスティン
アメリカ映画/98分/カラー作品




<あらすじ>
23人の男女を殺害した殺人鬼アイヴァン・モージャー(ライル・アルゼイド)は、処刑のため電気椅子にかけられたものの、刑務所の停電で囚人たちの暴動が発生して多数の死者を出してしまう。モージャーもその混乱の最中に死んだと考えられ、刑務所は閉鎖されてしまった。
それから18か月後。B級映画監督ロバート・エドワーズ(アンソニー・パーキンス)が刑務所を安く借りて女囚映画を撮ることになる。若手脚本家デヴィッド・ハリス(クレイトン・ローナー)はスタントウーマンのスーザン(デボラ・フォアマン)と恋仲で、いつも2人でロケ地の刑務所へ出向いていた。そのスーザンは仕事中いつも誰かの視線を感じていた。
デヴィッドは脚本を書くうち暴動事件に興味を持ち、その原因がいまだ謎に包まれているのは、刑務所側が黒い秘密を隠蔽しているからだと考えていた。その発言をテレビで聞いたカーシュ所長(パット・マホニー)は怒り心頭で刑務所へ乗り込むものの、何者かによって焼き殺される。
さらに、見回りに来た警官や主演女優シャロン(ラニー・ギャレット)が続けて殺された。犯人は処刑されたはずの殺人鬼モージャー。閉鎖後も刑務所を管理していた元看守ラッセル(トバイアス・アンダーソン)は彼の父親で、ずっと息子を刑務所内にかくまっていたのだ。
用事で席を外していたスーザンが撮影現場へ戻ると、スタッフもキャストも忽然と姿を消していた。刑務所内を探した彼女は、次々と仲間の無残な死体を発見する。電気椅子にくくり付けられた監督のエドワーズは目の前で感電死する。ショックで悲鳴をあげるスーザンの前に現れるモージャー。彼女は必至で逃げる。
その頃、近隣のダイナーで脚本を書いていたデヴィッドは、元看守の料理人フィンガー(デヴィッド・クリスティン)から、モージャーがまだ生きていて刑務所にいるかもしれないと知らされる。電気椅子に電流を流したのは彼だったのだが、どれだけ電圧を上げてもモージャーはビクともせず、それが原因で停電と暴動が起こったのだ。モージャーはそのまま刑務所のどこかへ消えたという。スーザンや仲間たちが危ないと察したデヴィッドは、急いで刑務所へと戻るのだったが…。

空前のホラー映画ブームに沸いた'80年代。その膨大な作品群の中から、幾つもの変わったサブジャンルが生まれたものだが、その一つが刑務所ホラーだ。極刑に処せられた死刑囚が何らかの理由で生き返り、超人的なパワーを使って更なる殺戮を繰り広げていく…というのが基本パターン。レニー・ハーリン監督の『プリズン』('87)を筆頭に、『デビルジャンク』('89)、『ショッカー』('89)などの類似映画が登場したが、この『殺人マシーン/デストロイヤー』もその一つである。

ただしこの作品、その他の刑務所ホラーと大きく違うのは、殺人鬼モージャーがそもそも最初から死んでなかったということ。電気椅子ごときでは死なない特異体質らしいのだ。一応、父親ラッセルからの遺伝によるものみたいなのだが、劇中ではちゃんと説明されないままなのでよく分からない。いずれにせよ、『プリズン』や『ショッカー』のようなスーパーナチュラル的要素はほぼなし。まあ、超人化する前のマイケル・マイヤーズやジェイソンみたいなもんと言うべきか。

なので、実質的には刑務所を舞台にしただけのスラッシャー映画。なぜ撮影隊がやって来てもすぐに殺さず待っていたのかとか、だいたい囚人の父親が看守ってアリなのかとか、いろいろ突っ込みどころは満載だけど、まあ、あくまでもC級ホラー映画なのでこんなもんでしょう。スプラッター描写もかなり控えめ。っていうか、殆どの殺人はオフカメラで行われるので、血みどろ特殊メイクを期待すると大いに肩透かしだろう。ただ、撮影現場に残された録音テープの音声だけで、大量殺戮の阿鼻叫喚を観客に想像させる演出は意外と効果的だ。

監督のロバート・カークはテレビのドキュメンタリーが本業らしく、長編劇映画の演出は後にも先にもこれ一本だけ。わりと器用でそつのない仕上がりなのだが、もともと脚本の出来がありきたりで平凡だし、演出自体にもホラー映画へのこだわりや思い入れは殆ど感じられない。仕事として割り切ってやりました、という印象だ。

主演のデボラ・フォアマンとクレイトン・ローナーは、これまた平凡なスラッシャー映画だった『エイプリル・フール』('86)の主演コンビ。フォアマンは'80年代を象徴するティーンムービーの一つ『ヴァレー・ガール』('83)に主演し、一時期かなり売れっ子だった女優さんだ。ローナーも当時はジェームズ・ディーン的な不良少年役でそこそこ人気だったが、結局は大ブレイクとまで行かず中途半端に終わってしまった。最近でも時々テレビドラマのゲストで見かける。

で、映画監督エドワーズ役で顔を出しているのがアンソニー・パーキンス。『サイコ3』('86)の次がこれだった。もともと、この役はロディ・マクドウォールに決まっていたものの直前で降板したため、ピンチヒッターとして雇われたらしい。なんというか、別にアンソニー・パーキンスである必要もない顔見せ的な役柄だ。また、殺人鬼モージャー役を演じているライル・アルゼイドはアメフトの元スター選手。'92年に42歳の若さで脳腫瘍のため亡くなっている。

評価(5点満点):★★☆☆☆
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参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.78:1)/1080p/音声:2.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語/字幕:あり/地域コード:A/時間:98分/発売元:Scream Factory/MGM
特典:オリジナル劇場予告編



by nakachan1045 | 2017-12-05 23:07 | 映画 | Comments(0)

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