なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「クリーチャー」 Creature aka The Titan Find (1985)

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監督:ウィリアム・マローン
製作:ウィリアム・G・ダン・ジュニア
   ウィリアム・マローン
脚本:ウィリアム・マローン
   アラン・リード
撮影:ハリー・マシアス
特殊効果デザイン:ロバート・スコタク
特殊メイク:ブルース・ザーラヴァ
音楽:トーマス・チェイス
   スティーヴ・ラッカー
出演:スタン・アイヴァー
   ウェンディ・スカール
   ライマン・ウォード
   クラウス・キンスキー
   ロバート・ジャッフェ
   ダイアン・サリンジャー
   アネット・マッカーシー
   マリー・ローリン
アメリカ映画/100分/カラー作品




<あらすじ>
舞台は近未来。西ドイツのリクター・ダイナミック社とアメリカのNTI社が、テクノロジーの分野で世界を二分していた。人類は資源を求めて土星の衛星タイタンへの探索を始めていたが、一足先に到着したNTI社の地質調査隊が20万年前の遺跡を発見する。ところが、カプセルから蘇ったエイリアンが調査員を次々と虐殺。それから2か月後、行方不明だった調査船が突然月面近くに現れ、NTI社の宇宙ステーションに激突した。
タイタンで何があったのか。NTI社は改めて調査隊を送り込むことにする。メンバーは船長のデイヴィソン(スタン・アイヴァー)、隊長のパーキンス(ライマン・ウォード)、副操縦士ベス(ウェンディ・スカール)、警備隊員メラニー(ダイアン・サリンジャー)ら合計で7名。しかし調査船シェナンドーア号が着陸に失敗して故障してしまい、通信手段も断たれてしまった。そこで、一行は既にタイタンへ到着していたリクター・ダイナミック社の調査船に助けを求めることにする。
ところが、そのドイツ船ではクルーが皆殺しにされており、凶暴なエイリアンが襲い掛かってくる。メラニーの武器も全く歯が立たず、逃げ遅れたスーザン(マリー・ローリン)が殺されてしまう。命からがらシェナンドーア号に戻ったメンバーたち。すると、ドイツ船の生き残りホフナー(クラウス・キンスキー)が物陰から現れた。
ホフナーによると、エイリアンは人間を食料にしているようだった。しかも、小さな幼虫のような生物を犠牲者に植え付けてコントロールし、仲間を殺すように仕向けるのだという。その頃、蘇ったスーザンがフェンネル(ロバート・ジャッフェ)を外へ誘い出し、殺害して同じように幼虫を植え付ける。エイリアンに操られたフェンネルはシェナンドーア号に通信を送り、ドイツ船でタイタンから脱出しようと仲間に提案する。胸騒ぎを覚えつつも、デイヴィソンとパーキンスは女医ウェンディ(アネット・マッカーシー)を連れてドイツ船へと向かう
一方、ホフナーとメラニーはシェナンドーア号の酸素を補給するためエアタンクの捜索に出かけていた。すると、スーザンが彼らに襲い掛かり、ホフナーが犠牲となってしまう。幼虫を植え付けられたホフナーは、シェナンドーア号に一人残されたベスを狙うが、彼女は間一髪で逃げ出すことに成功する。
その頃、ドイツ船ではフェンネルにおびき寄せられたウェンディが、エイリアンによって殺される。異変に気付いたデイヴィソンとパーキンスは、フェンネルの頭を吹き飛ばすものの、エイリアンには逃げられてしまった。すると、ホフナーに追われたベスがドイツ船へたどり着く。彼らはホフナーを倒してベスを助ける。
かくして生存者は3人だけになってしまった。メラニーは行方知れずのまま。船内にはエイリアンが潜んでいる。そこで彼らは、昔見た古いSF映画を参考にしてエイリアンに罠を仕掛けようとするのだが…。

'80年代に雨後の筍のごとく大量生産された『エイリアン』の亜流映画の一本である。ホント、あの頃は世界中の低予算映画作家たちが『エイリアン』のパクリに走っていたと思うのだが、残念ながらというか案の定というか、その大半が箸にも棒にも引っかからないクズ映画ばかり。筆者みたいな映画オタク少年は、騙されるのを覚悟で映画館へ通ったりビデオレンタル店のSFホラー・コーナーを漁ったりしたものだが、そうした中でも比較的上出来な部類に入る作品がこの『クリーチャー』だった。

ただし、ストーリー自体は『エイリアン』よりも『遊星よりの物体X』('51)に近い。というか、実際にセリフの中で同作のプロットについて言及しているので、元ネタにしていることは間違いないだろう。また、エイリアンに襲われた犠牲者が寄生虫によってゾンビのごとく蘇り、他の人間を次々と襲って仲間を増やしていくというのは、同作のリメイク『遊星からの物体X』('82)のプロットに『エイリアン』のチェストバスターを合体させたといった感じだろうか。まあ、いろいろとパクリを寄せ集めた映画であることは確かだ。

監督のウィリアム・マローンは、世界有数の『禁断の惑星』('56)関連グッズ・コレクターとしても有名な筋金入りのSF映画マニア。自ら特撮まで担当した処女作『バイオ・スケアード/悪魔の遺伝子』('80)もまた『エイリアン』に影響されたSFホラーだった。本作では、後に『エイリアン2』('86)に参加するSFXマン、ロバート・スコタクが特撮監修を手掛け、『エイリアン』でギーガーがデザインしたものとソックリなエイリアンを登場させている。といっても、あくまで低予算で製作されているため、見るからにハリボテといった印象は否めないのだけど。しかも、首が長すぎて全体のバランスがイマイチ(笑)。ロングショットで撮ると不格好なのがバレバレだ。

そんな本作の最大の見どころは、セットや照明の醸し出す幻想的な雰囲気。監督が偏愛する『禁断の惑星』や、マリオ・バーヴァ監督の『バンパイアの惑星』('65)を彷彿とさせる世界観は、レトロなSF映画の80年代的解釈といった感じでなかなか魅力的だ。人の顔面を削ぎ落したり、頭部を吹っ飛ばしたりするスプラッターな描写も悪くない。SFホラー映画マニアの琴線に触れるツボはしっかりと押さえている。

日本公開時にはドイツが誇る名優クラウス・キンスキーの主演作として宣伝されたように記憶しているが、実際はゲスト出演的な扱い。メインキャストは当時の無名俳優で固められているが、パーキンス隊長役のライマン・ウォードは『フェリスはある朝突然に』('86)の父親役で有名になり、副操縦士ベス役のウェンディ・スカールはジョー・ダンテ監督作品を中心に'80年代SF映画に欠かせない脇役女優となった。また、警備隊員メラニー役のダイアン・サリンジャーはティム・バートン監督の『ピーウィーの大冒険』('86)に起用され、『バットマン・リターンズ』('92)ではペンギンの母親役を演じるなど、知る人ぞ知る個性的な脇役女優として活躍するようになる。

なお、本作はどういうわけかパブリックドメインとなってしまい、長いことトリミングされた画質の悪いVHSやDVDが有象無象のビデオメーカーからリリースされてきた。それに業を煮やしたのか、'13年にマローン監督自身が自費で劇場公開版よりも長いノーカットのリマスター完全版をDVDリリース。'17年に『風の惑星/スリップストリーム』などと3本立てでリリースされたブルーレイ「The Killer SciFi 3 Pack」には、そのリマスター完全版が収録されている。残念ながら画質は一昔前のDVDソフトと同レベルといった感じだし、音声もドルビーデジタルという体たらくなのだが、少なくとも過去に出た数多の海賊版DVDよりは画質も音質も遥かに良好。なによりも、スコープサイズのワイドスクリーンでノーカット版を楽しめるのは有難い。

評価(5点満点):★★★☆☆
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参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(2.35:1)/1080p/音声:2.0ch Dolby Digital/言語:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/時間:100分/発売元:SGL Entertainment
特典:予告編(※実際は本編映像の抜粋)



by nakachan1045 | 2018-02-06 10:59 | 映画 | Comments(0)

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