なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「Top Sensation」(1969)

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監督:オッタヴィオ・アレッシ
製作:フランコ・カンチェリエリ
原案:ロレンツォ・リカルディ
脚本:オッタヴィオ・アレッシ
   ロレンツォ・リカルディ
撮影:アレッサンドロ・デヴァ
衣装:ジュリアーナ・セラーノ
音楽:サンテ・マリア・ロミテッリ
出演:ロサルバ・ネリ
   エドウィージュ・フェネッシュ
   エヴァ・チューリン
   マウリツィオ・ボヌリア
   モード・デ・ベルロッシュ
   ルッジェロ・ミティ
   サルヴァトーレ・プンティッロ
イタリア映画/91分/カラー作品




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<あらすじ>
眩い夏の日差しのもと、地中海を航行する豪華ヨット、ガビアーノ号。オーナーの中年女性ムディ(モード・デ・ベルロシュ)は大富豪の実業家だ。ヨットには友人の若夫婦アルド(マウリツィオ・ボヌリア)とパオラ(ロサルバ・ネリ)、そして金で雇われた娼婦ウーラ(エドウィージュ・フェネッシュ)が同乗している。
実は、ムディの20歳になる一人息子トニー(ルッジェロ・ミティ)には知能障害があり、精神的にはまだ子供のままだった。これまで様々な治療を施してきたが全て失敗。そこで、ムディは息子に女を与えることにする。セックスをすれば一人前の大人に目覚めるのではないかと考えたのだ。ヨット旅行の目的も、息子を童貞から卒業させるためだった。
協力を申し入れたアルドとパオラの目的は、ムディが所有する石油会社を譲ってもらうこと。しかし、トニーがパオラの肉体を拒んだため、アルドはウーラを雇ったのだが、しかしこちらも上手くいかない。なんとかしてムディに取り入ろうと、バイセクシャルの彼女に性の奉仕をするパオラ。一方、操縦を任されたアルドはウーラとのセックスにうつつを抜かし、そのせいでヨットは小さな島に座礁してしまった。
隙を見てヨットを飛び出し、島へと上陸するトニー。そこで彼は、貧しい漁師アンドロ(サルヴァトーレ・プンティッロ)の若い妻ベバ(エヴァ・チューリン)と知り合い、彼女に一目惚れしてしまう。その様子を見たアルドは、トニーの童貞を奪うにはベバが適任だと考え、言葉巧みに彼女をガビアーノ号へと招き入れる。
純朴なベバに酒を飲ませてたぶらかし、その肉体をおもちゃにして遊ぶパオラとウーラ。その隙にヨットは出航する。ムディはベバをトニーと2人きりにさせ、その様子を監視カメラで観察していた。すると、そこへ何も知らないアンドロが、魚を売るためボートでガビアーノ号へ乗船。これが思いがけない波乱を巻き起こしていく…。
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イタリア産カルト映画マニアの間では、長いこと伝説となっていた幻のソフト・ポルノである。主演は'60~'70年代のイタリア産B級映画を代表するセックス・シンボル、ロサルバ・ネリとエドウィージュ・フェネッシュ。この顔合わせだけでもマニア垂涎であろう。そのうえ、ロサルバとエドウィージュがブロンド美女エヴァ・チューリンと組んず解れつする濃厚なレズビアン3Pシーンあり、エドウィージュがヤギにおっぱいとアソコを舐められて昇天する疑似獣姦シーンあり。まあ、実際の映像は文字で書くほど過激ではないものの、それでも当時としては相当に衝撃的だったはずだ。まさしく、「トップ・センセーション」というタイトルに偽りなしである。
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舞台は真夏の地中海、主人公は豪華ヨットで船遊びを楽しむブルジョワ階級の男女だ。ヨットのオーナーは、会社を幾つも経営する大富豪の中年女性ムディ(演じるはフランスの女流作家モード・デ・ベルロッシュ)。男も女もいけるバイセクシャルという設定だが、とりあえずステレオタイプなレズビアン臭のする強面のオバサマだ。で、彼女にはトニー(ルッジェロ・ミティ)という一人息子がいるものの、実は知的障害を患っており、実年齢は20歳だけど精神年齢は幼い子供同然。スイスの精神病院で治療を受けさせるも成果はなく、悩んだムディは独創的過ぎる治療法を思いつく。名付けて童貞卒業療法。要するに、セックスの味を覚えれば精神的にも大人に成長するだろうというわけだ。
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んなバカな!という突っ込みはさておき、その童貞卒業療法に協力を申し出たのが友人の若夫婦アルド(マウリツィオ・ボヌリア)とパオラ(ロサルバ・ネリ)だ。2人はムディが所有する石油会社の権利を狙っており、なんとかして彼女に取り入ろうとするわけだが、肝心のトニーがパオラとのセックスを拒絶。そこで、人一倍野心家の美女パオラが自らの肉体を使ってムディの気を惹きつつ、夫のアルドは娼婦のウーラ(エドウィージュ・フェネッシュ)を雇ってトニーにあてがうのだが、こちらも残念ながら目論見通りとはならず。そもそも、一連の童貞卒業治療をなぜ豪華ヨットの中で実践せねばならないのかさっぱり分からないのだが、とりあえず狭い空間の中で性欲を持て余したウーラはアルドとねんごろに。で、ヨットの操縦を任されていたアルドは、ウーラとのセックスに気を取られてしまい、まんまとヨットは地中海の小さな島に座礁してしまう。
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この島に住んでいるのが、毛むくじゃらでオツムの弱い乱暴者の漁師アンドロ(サルヴァトーレ・プンティッロ)と、そんな野蛮人には似つかわしくない純朴な美人妻のベバ(エヴァ・チューリン)。島で唯一の産業だった炭鉱が閉鎖したことから、ほかの島民はみんな故郷を捨てて去ってしまい、今では夫婦2人きりしか住んでいないらしい。で、今まで女には見向きもしなかったトニーが、なぜか貧しい田舎娘のベバに一目惚れ。彼女だったらトニーの筆おろしも夢じゃないかも!ということで、アルドたちは言葉巧みにベバをヨットへと招き入れる。
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ということで、まずは酒をガンガン飲ませてベバの判断力を鈍らせるパオラとウーラ。ついでに女だらけの3Pセックスで肩慣らし(笑)。その間にヨットは島を離れて出航。さあ、準備はバッチリということで、おめかしさせたベバをトニーと2人きりにして、トニーが性欲をもよおすのを待つことにするわけだが、そこで招かれざる客がやって来る。ベバの夫アンドロだ。妻がヨットにいることも知らず、魚を売りつけるためボートで接触してきたアンドロ。面白半分で彼を乗船させたパオラたちだったが、これが思いがけない波乱を呼ぶこととなり、やがて最悪の事態が引き起こされてしまう。
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海のド真ん中のヨットを舞台に、不道徳で堕落したブルジョワたちが貧しい労働者を弄ぶ。なんとなくロマン・ポランスキーの『水の中のナイフ』('65)を彷彿とさせるが、少なからず影響されていることは間違いないだろう。ルネ・クレマンの『太陽がいっぱい』('60)を連想させるような部分もある。監督のオッタヴィオ・アレッシは、ピエトロ・ジェルミやフランコ・ロッシといった名匠と組んだ脚本家で、当時既に50歳のベテランだった。しかし、監督作は本作を含めてたったの2本だけ。ソフト・ポルノというジャンルの枠内で、先鋭的な試みに挑戦しようとする意欲は感じられるが、しかし脚本があまりにも不合理で荒唐無稽なため、階級闘争という裏テーマも不発に終わっているとしか言いようがない。
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それでも、ロサルバ・ネリとエドウィージュ・フェネッシュの魅力は存分に堪能できる。特に、本作では助監督も兼ねているロサルバは見せ場も盛りだくさん。惚れ惚れとするほどセクシーでカッコいい悪女ぶりを発揮している。劇中で着用するビキニは彼女の私物だったようだ。また、当時まだデビューして間もないエドウィージュも衝撃的なくらい美しい。ヤギに恥部を舐めさせるシーンは、もちろん本当にやらせているわけではなく、股の間に置いた塩か何かを舐めさせているだけ。あまりにもバカバカしいもんだから、本人も撮影そっちのけで笑い転げていたそうだ。
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純朴な若妻ベバ役のエヴァ・チューリンは、これが映画デビューだったスウェーデン人女優。ムディ役のモード・デ・ベルロッシュはフランスのベストセラー作家で、女優の仕事はこれが最初で最後だった。アルド役のマウリツィオ・ボヌリアはマカロニ西部劇やポリス・アクションで活躍した俳優。アンドロ役のサルヴァトーレ・プンティッロもマカロニ西部劇やマフィア映画に多数出演しており、トニー役のルッジェロ・ミティは後に映画監督へと転身した。
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なお、日本では劇場未公開およびビデオソフト未発売で、テレビ放送された形跡もなし。海外でも'80年代に当時の西ドイツでビデオ化されたことはあったが、それ以外の地域では長らく海賊版ビデオでしか見ることが出来なかった。'13年にドイツで初めてオフィシャル版DVDがリリースされたが、本編はドイツ公開用の短縮版。そこに約2分間の不足シーンを画質の劣る別ソースから補って再編集したのが、'16年に発売されたイギリス盤DVDだ。ロサルバ・ネリの最新インタビューを含むメイキング・ドキュメンタリーも収録されている。しかも、シリアルナンバー入りの2000枚限定プレス。現時点でまだ品切れにはなっていないようだが、今のうちに購入しておいた方がいいだろう。
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評価(5点満点):★★★☆☆

参考DVD情報(イギリス盤)※2000枚限定プレス
カラー/スタンダードサイズ(1.33:1)/音声:2.0ch Dolby Digital Mono/言語:イタリア語・英語/字幕:英語/地域コード:ALL/時間:91分/発売元:Shameless Screen Entertainment
特典:メイキング・ドキュメンタリー(約31分)/別エンディング(約1分)/フォトギャラリー



by nakachan1045 | 2018-10-15 15:56 | 映画 | Comments(0)

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