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なかざわひでゆき の毎日が映画三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画評論日記
by なかざわひでゆき
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「The Boogens」 (1981)

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監督:ジェームズ・L・コンウェイ
製作:チャールズ・E・セリアー
原案:トム・チャップマン
   デヴィッド・オマーリー
脚本:デヴィッド・オマーリー
   ボブ・ハント(ジム・カウフ)
撮影:ポール・ヒップ
音楽:ボブ・サマーズ
出演:レベッカ・ボールディング
   フレッド・マッカレン
   アン=マリー・マーティン
   ジェフ・ハーラン
   ジョン・クロフォード
   メッド・フロリー
   ジョン・ローマー
   ペグ・スチュワート
アメリカ映画/95分/カラー作品




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<あらすじ>
真冬のコロラド州。70年前に閉鎖された銀山を再開発することとなり、4人のスタッフが派遣される。ベテランのブライアン(ジョン・クロフォード)とダン(メッド・フロリー)、そして若手のマーク(フレッド・マッカレン)とロジャー(ジェフ・ハーラン)だ。
かつて、ここでは大規模な崩落事故があり、27名の作業員が生き埋めになってしまった。4人は崩落事故現場にダイナマイトを仕掛けて爆破。すると、その向こう側には神秘的な洞窟と地下湖が広がっていた。予想外の展開に驚く彼らは、さらに湖のそばで大量の人骨を発見する。だが、おかしな点があった。なぜか、ほとんどの人骨が一か所に固まっているのである。
若いマークとロジャーは銀山近くのコッテージを一緒に借りていた。彼らは、そこにロジャーの恋人ジェシカ(アン=マリー・マーティン)とその親友トリッシュ(レベッカ・ボールディング)を招く。ロジャーはマークとトリッシュをくっつけるつもりだった。幸いにも2人はお互いに好意を抱く。
ただ、気がかりなのはコッテージのオーナー、マーサ(マーシア・デンジャーフィールド)が行方不明であること。実は、銀山での作業が始まった直後、マーサは正体不明の生物に襲われていたのだが、誰一人としてそれを知る由もなかった。
やがて、デンバーの本社へ行くはずだったロジャーがガレージで殺害され、一人で留守番をしていたジェシカも地下室から現れたモンスターの犠牲となる。一方、新米ジャーナリストのトリッシュは、70年前に起きた崩落事故に関心を抱き、地元新聞社で古い記事を探していたところ、奇妙な事実を知る。作業員の救出に駆り出された軍隊が理由もなく撤退したこと。そして、実はたった1人だけ生存者がいたのだが、頭がおかしくなって精神病院行きとなったのだ。
その頃、洞窟を調査していたマークやブライアンたちは、地下湖に浮かぶロジャーの無残な死体を発見する。すると、そこへブランチャード(ジョン・ローマー)という老人が現れ、銀山の再開によって伝説の怪物ブーゲンズが解き放たれたのだという。実は、ブランチャードの父親こそが70年前の唯一の生存者だったのだ。トリッシュを救うためコッテージへと急ぐマークだったが…。
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残念ながら日本では劇場公開はおろか、テレビ放送もビデオ発売もされなかったものの、アメリカでは一部マニアの間でカルト映画として知られるクリーチャー・ホラーである。舞台は70年前に崩落事故の惨劇が起きて閉鎖された田舎の古い銀山。そこを改めて再開しようとしたところ、洞窟に閉じ込められていた伝説の怪物ブーゲンズが解き放たれ、一人また一人と作業員やその関係者が血祭りにあげられていく。なんとなく雰囲気的に『血のバレンタイン』('81)を彷彿とさせる、いかにも'80年代らしいB級ホラー映画と言えるだろう。
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監督は後に『冒険野郎マクガイバー』や『チャームド~魔女3姉妹~』、『スーパーナチュラル』、『マジシャンズ』などの人気テレビシリーズを手掛けるジェームズ・L・コンウェイ。当時、ユタ州を拠点にしてファミリー向けの健全なテレビシリーズやテレビ映画を制作していたコンウェイは、それまでとは全く違うジャンルの劇場用映画、それもR指定を受けるような本格的ホラー映画を撮りたいと考え、デヴィッド・オマーリーやトム・チャップマンといった馴染みの常連スタッフを招集して、本作の企画を立ち上げたのだという。
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しかも脚本のリライト担当として、後に『張り込み』('87)シリーズや『ヒドゥン』('87)、『ラッシュアワー』('98)、『ナショナル・トレジャー』('04)などの大ヒット娯楽映画を手掛ける名脚本家ジム・カウフがボブ・ハント名義で参加。正直、なんら特筆すべきところのないストーリーは極めて凡庸だけど、まあ、無駄なく簡潔にまとまっているとは言えるかもしれない。それはコンウェイの演出も同様で、基本的には可もなく不可もなく。ただ、当時量産されていた素人まがいのクズみたいなインディーズ系B級ホラー映画とは違って、ちゃんとしたプロの仕事として真っ当に仕上がっているという印象だ。
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最大の目玉は、銀山の奥深くで発見された洞窟の湖に潜み、70年前の崩落事故で銀山に閉じ込められた27人の採掘作業員を皆殺しにした怪物ブーゲンズ。とりあえず、ロジャー・コーマンの『巨大カニ怪獣の襲撃』('57)も真っ青なショボい甲殻類系クリーチャー・デザインは失笑ものだし、最後の最後にようやく画面に出てきたと思ったら予想以上に小さくてズッコケてしまうが、それらを含めて古き良きモンスター映画の味わいがあると言えよう。なので、過度な期待は禁物(笑)。この底抜けな安っぽさを、暖かな眼差しで微笑ましく見つめるくらいの心構えが必要だ。
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ちなみに、一度倒したブーゲンズがその後何度も出てくるので、「は?どうゆーこと?」と首を傾げていたところ、どうやら湖の中に何頭ものブーゲンズが潜んでいるという設定だったらしい。そりゃそうだよな、あの小型サイズ1頭で27人もの採掘作業員を食い散らかすには無理がある。逆に寄ってたかってボコボコにされていたはずだ。なるほど、群れで襲い掛かったのね、それなら納得!と言いたいところなのだが、いかんせん本作は予算60万ドルのロー・バジェット映画。何体もモンスターを製作するような金銭的余裕はございません。なので、唯一のクリーチャー・モデルを繰り返し使い回すことに。そのため、1度に1頭しか画面に出すことが出来なかったわけだ。
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そのブーゲンズの造形デザインおよび制作を担当したのは、本作に続いて『怪人スワンプシング/影のヒーロー』('82)でスワンプシングの特殊メイクを手掛けたウィリアム・マンズとケン・ホーンのコンビ。また、『怪奇!双頭人間』('71)や『惨殺の墓場』('74)などの迷作C級ホラーでお馴染みのカメラマン、ポール・ヒップが撮影監督にクレジットされている。
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主演はカルト・ホラー『悪魔のいる渚/サイレントスクリーム』('80)のヒロインとしても知る人ぞ知る女優レベッカ・ボールディング。彼女は本作の撮影中にコンウェイ監督と結婚し、その後夫が脚本と製作総指揮に携わったドラマ『チャームド~魔女3姉妹~』でアリッサ・ミラノの上司役を演じていた。隣の女の子的な魅力のキュートな女優だ。その親友ジェシカ役にはドラマ『俺がハマーだ!』('86~'88)のドリー役で有名になるアン=マリー・マーティン。本作ではシャワー・シーンでセミヌードも披露しているが、当初の契約ではフルヌードになるはずだったものの、撮影の段階になってゴネ始めたため、仕方なく背中だけのショットになったらしい。とはいえ、ちょっとポッチャリ気味だけどやっぱり美人!さすがは、『プロム・ナイト』('80)の学園の女王様ですな。マイケル・クライトンと結婚して女優引退したのは惜しまれる。
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で、そんな魅力的な女優陣の揃った本作だが、一方で彼女らの相手役を務める若手男優たちがとにかく地味!別にイケメンじゃなけりゃダメだとは言わないが、それにしてもあまりに華がなさ過ぎるのだ。どこからどう見ても、その辺の冴えない兄ちゃん。とても映画でメインどころを務めるようなタイプじゃない。これは本作最大の弱点と言えるだろう。
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なお、ベテラン作業員役には『ポセイドン・アドベンチャー』('72)や『タワーリング・インフェルノ』('74)にも出ていた名脇役ジョン・クロフォードと、昔のテレビドラマの脇役ゲストとして顔なじみのある強面俳優メッド・フロリー。謎めいた老人役のジョン・ローマーも、'50~'60年代のハリウッド映画やテレビドラマでは良く見る顔だった。この頃はまだ、古き良き時代のバイプレイヤーたちが、こうした低予算映画で老後の小遣い稼ぎをしていたもんだなあ…と懐かしく思う。
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評価(5点満点):★★★☆☆

参考DVD情報(アメリカ盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/音声:1.0ch Dolby Digital Mono/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/時間:95分/発売元:Olive Films/Paramount Pictures
特典:ジェームズ・L・コンウェイ監督、脚本家デヴィッド・オマーリー、女優レベッカ・ボールディングによる音声解説



by nakachan1045 | 2019-02-06 04:20 | 映画 | Comments(0)

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