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なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画&音楽レビュー日記
by なかざわひでゆき
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「ストレンジ・インベーダーズ」 Strange Invaders (1983)

「ストレンジ・インベーダーズ」 Strange Invaders  (1983)_f0367483_12444402.jpg
監督:マイケル・ローリン
製作:ウォルター・コブレンツ
原案:ビル・コンドン
   マイケル・ローリン
   ウォルター・デイヴィス
脚本:ビル・コンドン
   マイケル・ローリン
撮影:ルイス・ホーヴァス
特殊視覚効果:プライヴェート・ストック・エフェクツ
音楽:ジョン・アディソン
出演:ポール・ルマット
   ナンシー・アレン
   ルイーズ・フレッチャー
   ダイアナ・スカーウィッド
   マイケル・ラーナー
   ウォーレス・ショーン
   フィオナ・ルイス
   ケネス・トビー
   ジューン・ロックハート
   チャールズ・レーン
アメリカ映画/93分/カラー作品




<あらすじ>
時は1950年代末、場所はイリノイ州の小さな田舎町センターヴィル。ある晩、町の上空に巨大な宇宙船が飛来し、住民たちが忽然と姿を消してしまう。夜になってデートから帰宅した若いカップル(ダン・ショー、デイ・ヤング)は、もぬけの殻となった我が家に驚くものの、彼らもまた犠牲となってしまった。
それから25年後の現在。ニューヨークのコロンビア大学教授チャールズ・ビゲロウ(ポール・ルマット)は、故郷の母親が急病で亡くなったという元妻マーガレット(ダイアナ・スカーウィッド)から、娘エリザベス(ルル・シルヴァート)の世話を頼まれる。しかし、そのままマーガレットは消息不明となり、心配したチャールズはエリザベスを母親(ジュ―ン・ロックハート)に預け、マーガレットの故郷であるイリノイ州のセンターヴィルへ向かう。
到着したセンターヴィルは、まるで'50年代で時間が止まったような場所だった。町で唯一の旅館を経営するニューマン氏(ケネス・トビー)によると、マーガレットの家族に心当たりがないという。ほかの住民たちも知らないの一点張り。やがて夜になって、人々の怪しげな動きを察したチャールズは、間一髪で町を逃げ出す。その際、彼は不気味な姿をしたエイリアンに襲われた。
ニューヨークへ戻ったチャールズは、大学の上司ホリスター教授(チャールズ・レーン)の紹介で、政府機関のベンジャミン女史(ルイーズ・フレッチャー)に連絡を取って、センターヴィルで目撃したことを報告する。しかし、ベンジャミン女史は「センターヴィルには25年前から誰も住んでいない」として、チャールズの証言を一笑に付すのだった。
納得のいかないチャールズは、ふと見かけたタブロイド紙に例のエイリアンの写真が掲載されているのを発見。すぐさま、彼は記事を書いた担当記者ベティ・ウォーカー(ナンシー・アレン)のオフィスに押しかけるが、その写真は一般読者が投稿したもので、ベティ自身はエイリアンの存在などまるで信じていなかった。いかし、その直後に化粧品の訪問販売員に化けた女エイリアン(フィオナ・ルイス)がベティの自宅に出現。ショックを受けた彼女はチャールズの話を信じるようになる。
途方に暮れるチャールズの前に、突然マーガレットが戻ってくる。実は彼女もまたエイリアンだったが、地球人に情が移ってチャールズと結婚したのだった。仲間たちがエリザベスを狙っている、娘を助けてあげて!と訴えるマーガレット。襲い来るエイリアンから命からがら逃げだしたチャールズとベティは、ベンジャミン女史が最初からエイリアンとグルだったことを知る。アメリカ政府は長年エイリアンたちに協力し、その見返りに最先端技術を得ていたのだ。
一足先に娘エリザベスは誘拐されてしまった。いったいエイリアンを止めるにはどうすればいいのか。そこでチャールズとベティは、例の写真を投稿した人物ウィリー・コリンズ(マイケル・ラーナー)のもとを訪ね、エイリアンの詳細な情報を得ようとするのだったが…。

『スター・ウォーズ』('77)や『未知との遭遇』('78)の大ヒットでハリウッドを席捲したSF映画ブームは、'80年代に入っても衰えることなく『E.T.』('82)を筆頭に更なるヒット作を生んでいくわけだが、そんな中で突然現れた'50年代風のレトロな侵略型SF映画が『ストレンジ・インベーダーズ』である。その内容は、まさしく古き良き(?)赤狩り時代の侵略型SF映画そのもの。要するに、トビー・フーパー監督の『スペース・インベーダー』('86)やチャック・ラッセル監督の『ブロブ/宇宙からの不明物体』('88)がリメイクという形でやろうとしたことを、完全オリジナルなストーリーで再現しようとしたわけだ。

物語の始まりは'50年代。イリノイ州の田舎町センターヴィル(マイケル・ローリン監督の故郷)に巨大な宇宙船が飛来し、住民が忽然と姿を消してしまう。後に分かることだが、実はエイリアンたちは人々を光る球体に変えてしまい、自分たちが彼らのソックリさんになり代わって住み着いてしまったのである。それから25年後、ニューヨークに住む大学教授チャールズは、元妻マーガレットが娘エリザベスを残して消息を絶ったことから、彼女の故郷であるセンターヴィルを訪れる。

すると、そこは'50年代で時間がストップしてしまった場所で、住民たちも当時のままの格好をしていた。しかも、誰一人としてマーガレットやその家族のことを知らない。身の危険を感じたチャールズは町を脱出しようとするが、その際に昆虫のような姿をしたエイリアンを目撃する。そのことを政府機関に訴え出た彼だが、しかしはなから信じてもらえない。そこでタブロイド紙の女性記者ベティと共に調査を始めたところ、実はセンターヴィルが地球の調査に来たエイリアンに乗っ取られていること、長年に渡ってアメリカ政府が彼らの存在を知りつつ隠していたこと、妻マーガレットもまたエイリアンであることを知る。しかも、彼らは人間とエイリアンのハーフであるエリザベスを連れて母星へ帰ろうとしていた。誘拐された娘を取り戻すため、再びセンターヴィルへ向かうチャールズだったが…!?

「アイゼンハワー大統領の時代、共産主義者とロックンロールを除けば、アメリカ社会にこれといった脅威はなかった…あの夜までは!」というオープニングの前説からして、あくまでも本作が'50年代SF映画のパロディであることを示していると言えよう。政府のエイリアン関連資料の中に、スティーブン・スピルバーグ監督の写真が含まれているなどのジョークも随所に散りばめられている。とはいえ、全体的なトーンは基本的にシリアス。人間に化けたエイリアンが『ポルターガイスト』('82)のごとく顔の皮を引き裂いて正体を現わしたり、エイリアンに襲われた人間の体がグニャグニャと萎んで光る球体になったりと、特殊メイクもけっこうショッキングでグロテスクだ。

注目すべきは、スウィンギン・ロンドン映画の隠れた名作『ジョアンナ』('68)やカウンター・カルチャー映画のカルト作『断絶』('71)のプロデューサーとして知られるマイケル・ローリンが監督を、後に『ゴッド・アンド・モンスター』('98)や『シカゴ』('02)などで名を馳せる巨匠ビル・コンドン監督が脚本を手掛けていることであろう。実はレトロなSF映画やホラー映画のマニアである2人、最初にコンビを組んだ前作『ストレンジ・エクスペリメント』('81)でも、'50年代のSFホラーにオマージュを捧げていた。

彼らの基本的なスタンスは、古い低予算B級映画の雰囲気を'80年代のテクノロジーで再現すること。なので、SFXや特殊メイクこそハイクオリティな仕上がりだが、しかし全体的な印象としては極めてチープだ。荒唐無稽なストーリーは突っ込みどころ満載だし、セリフだって臭くてバカバカしいし、名優ばかり揃ったキャストの芝居も大根だし。もちろん、どれもこれも最初から狙っているわけだが、惜しむらくは語り口が妙にシリアスであるため、その意図的なB級感が観客に伝わりづらいこと。要するに、本気で安っぽい映画に見えてしまうのだ。ここはもうちょっと、開き直ってパロディに徹した方が良かったかもしれない。

やっぱり何ごともサジ加減って大事だよね、と思わせられる1本。とはしえ、『アメリカン・グラフィティ』('73)のポール・ルマットが'50年代で時の止まった町に迷い込むという設定は気が利いているし、大好きなナンシー・アレンがヒロイン役というのも嬉しいし、なによりも『遊星よりの物体X』('51)や『原子怪獣現る』('53)など'50年代SF映画に欠かせない俳優ケネス・トビーや、テレビ『宇宙家族ロビンソン』('65~'68)以来の再共演となるジューン・ロックハートとマーク・ゴダードなど、SFマニアがニヤリとするキャスティングは大きな見どころだろう。

ちなみに、『遊星からの物体X』('82)や『ガバリン』('85)のジェームズ・カミンズがエイリアンの特殊メイクを担当したものの、演出を巡ってローリン監督と意見が対立したことから、本編のクレジットでは彼の名前が外されている。また、撮影監督のルイス・ホーヴァスはゴミクズ映画の帝王アル・アダムソン監督のカメラマンだった人物。音楽スコアを『蜜の味』('61)や『トム・ジョーンズの華麗な冒険』('63)など、ブリティシュ・ニューウェーヴの名作群で有名な巨匠ジョン・アディソンが手掛けているのも興味深い。これはやはり、ローリン監督が'60年代に英国映画界で培った人脈の賜物なのかもしれない。

なお、日本では遥か昔にVHSで発売されたっきり。一方のアメリカでは'01年にMGMからDVDが発売された。'15年には米Twilight Time社より3000枚限定プレスのブルーレイがリリース。新たに制作されたHD画質の本編マスターはまずまずの仕上がりだ。もともと全体的にソフトフォーカスがキツめな作品であるため、くっきりシャープな高画質とはいかないものの、動きは滑らかだし色調もナチュラルで鮮明。傷や汚れはほとんど目立たず、フィルムグレインも適度な印象である。音声トラックも立体感があって非常にクリア。特典の音声解説と予告編は旧DVD盤と同一内容だ。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ情報(アメリカ盤)※3000枚限定プレス
カラー/ワイドスクリーン(2.35:1)/1080p/音声:2.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語/字幕:英語/地域コード:ALL/時間:93分/発売元:Twilight Time/MGM/Orion
特典:監督マイケル・ローリンと脚本家ビル・コンドンによる音声解説/オリジナル劇場予告編



by nakachan1045 | 2019-05-16 08:02 | 映画 | Comments(0)

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