なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧
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「艶獄戦士アマゾンズ」 Les amazones du temple d'or (1986)

監督:ジェームズ・ガートナー(アラン・パイエ)
ジェス・フランコ(ノークレジット)
製作総指揮:ダニエル・ロスール
原案:ジェフ・マナー(ジェス・フランコ)
脚本:A・L・マリオー(ジェス・フランコ)
脚色:ジョージ・フリーランド(ジョルジュ・フリードランド)
撮影:ヘンリー・フロジャーズ
音楽:ノルベール・ヴェローネ
出演:ジョーン・ヴァーリー(アナリア・アイヴァース)
ウィリアム・バーガー
ロバート・フォスター(アントニオ・マヤンス)
スタンリー・カプール
フランソワーズ・ブランシャール
J・R・コサール(ジャン=ルネ・コサール)
オリヴァー・マシュー(オリヴィエ・マソット)
クロード・マルシャル
エヴァ・レオン
エミリオ・リンデル
アリシア・プリンシプル
リーナ・ロメイ
フランス映画/85分/カラー作品

<あらすじ>
とある南国のジャングル。幼い頃に両親をアマゾネスに殺された女性リアナ(アナリア・アイヴァース)は、原住民の手によって野生動物を愛する勇敢で逞しい女性へと成長した。そんなある日、亡き父親の友人だった宣教師ジョンストン神父(オリヴィエ・マソット)がやって来て、文字の読めない彼女のために父親の日記を読んでくれる。そこには、アマゾネスが住む禁断の場所ブルーマウンテンで金塊を発見したこと、その金塊をこっそり盗んで持ち帰ってきたことが記されていた。両親はそれが原因で殺されたのだ。幼少期の記憶が甦ったリアナは、アマゾネス軍団に復讐するべくブルーマウンテンへと向かう。
その途中で原住民の村にさしかかったリアナは、酋長からアマゾネスの捕虜となった弟を救出して欲しいと頼まれ、部族で一番の戦士クークー(スタンリー・カプール)がお供として付いてくる。さらに、同じくブルーマウンテンを目指す考古学者ハーヴェイ(エミリオ・リンデル)とその妻ベラ(アリシア・プリンシプル)、密林ガイドのバド(アントニオ・マヤンス)と遭遇し、彼らも同行することとなる。
いよいよブルーマウンテンへと近づいた一行。ところが、洞窟へ足を踏み入れたところ次々と気を失ってしまう。気が付くと、そこは黄金で作られたアマゾネスの要塞。大勢の奴隷たちが金を採掘するため強制労働に従事させられている。アマゾネスのリーダーはリナ(エヴァ・レオン)という片目の女戦士だが、彼女たちを統治するのは男性司祭ウールック(ウィリアム・バーガー)だ。リアナをアマゾネスの女戦士に育てようと考えたウールックだったが…?

<作品レビュー>
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『コナン』シリーズの大ヒットによって、'80年代にちょっとしたブームとなったヒロイック・ファンタジー映画。これはその人気にあやかるべく、スペイン出身のユーロ・カルト映画の帝王ジェス・フランコがフランス資本で作った、女性版「コナン」とも呼ぶべきアマゾネス映画である。

もともとフランコが本作を撮影したのは'84年のこと。その前年に公開された『キリマンジャロ・ストーンの謎/秘宝に眠る美少女伝説』('83)の姉妹編的な扱いで、どちらもジャングルの秘境で原住民に育てられた若い白人女性が活躍する冒険アクションだ。ただ、詳細は不明であるものの、なんらかの理由で未完成のまましばらく放置され、結局はフランスのハードコア・ポルノ映画監督アラン・パイエの手によって仕上げられた。それゆえ、パイエが一般映画を撮る際に使用していた別名ジェームズ・ガートナーが監督としてクレジットされている。

ヒロインは幼い頃に両親を山から下りてきたアマゾネス軍団に殺され、近隣の原住民たちに育てられた白人女性リアナ(アナリア・アイヴァース)。なぜこんな秘境に白人の家族が「ポツリ一軒家」みたいに住んでいたのか、ジャングルの未開地というわりになぜ道が舗装されているのか、のっけから突っ込みどころが満載だが、まあ、なにしろ年間5~10本もの激安映画を量産していた'80年代のジェス・フランコ作品なので、これくらいのいい加減さは想定の範囲であろう。

で、野生動物たちと無邪気に戯れながら平和に暮らしていたリアナだったが、ある日亡き父親の友人だった宣教師から父親の遺した日記を読んでもらい、すっかり忘れていた過去の記憶が甦る。そうだ!パパとママは殺されたんだった!ええい、憎きアマゾネス軍団どもめ!このあたしが成敗してやる!とばかりに、思い立ったら吉日でアマゾネス征伐の旅へ出ることとなる。

目指すはアマゾネス軍団の要塞がある秘境中の秘境ブルー・マウンテン。途中で原住民の村に立ち寄ったリアナはアマゾネスに捕らえられた酋長の弟を救出するよう頼まれ、村で一番の戦士クークー(スタンリー・カプール)がお供として随行することに。さらに、考古学者(エミリオ・リンデル)率いる白人の探検隊と出会い、彼らも仲間となって一緒にブルー・マウンテンへ向かうことになる。まるで日本の「桃太郎」みたいな展開ですな(笑)。

しかし、ようやく目的地に着いたと思ったら、一行はあえなくアマゾネス軍団の捕虜になってしまう。実はブルー・マウンテンは巨大な金山で、アマゾネスたちはその宝の山を守っていたのだ。大勢の奴隷たちが金を採掘するため強制労働に従事しており、かつてリアナの父親はその秘密を知って金を盗んだために殺された。そのアマゾネス軍団を統治しているのが、黄金の神殿を司る教祖ウールック(ウィリアム・バーガー)。彼は勇敢で逞しいリアナをアマゾネスの一員にすることを考え、右腕である片目の女戦士リナ(エヴァ・レオン)と対決させようとする…って意味がよく分からないのだけど(笑)、とにかく、囚われの身となったリアナはリナとの決闘を勝ち抜いて仲間たちを救い、アマゾネス軍団を一網打尽にすべく戦いを挑んでいく。

ってなわけで、質よりも量を優先するようになった当時のジェス・フランコ作品としては、ぶっちゃけまずまずの出来栄えだと言えよう。確かにストーリーやプロットはいい加減だし、相当な低予算であることも一目瞭然。例えば、黄金色に光り輝く金採掘現場なんて、岩壁にペラッペラの薄い金箔を貼り付けただけだし、しかも適当に貼り付けてあるので隅っこがヒラヒラしているし(笑)。今にも剥がれ落ちそうな金箔にトンカチが当たらないよう、そーっと作業するふりをしている奴隷役エキストラたちの姿も涙ぐましい。だいたい黄金の神殿の外観なんて、ただの金色のビニールテントだもんね。

とはいえ、ジャングルの雄大な自然を捉えたカメラワークはなかなか凝っており、その他大勢のフランコ作品に比べると意外にも見栄えは悪くない。『キリマンジャロ・ストーンの謎/秘宝に眠る美少女伝説』では古い記録フィルムで処理されていた野生動物たちも、本作ではちゃんとヒロインとの「共演」を果たしている。ストーリー自体もスリルやサスペンスなんぞ殆どないに等しいとはいえ、それなりに退屈しないような趣向は凝らされている。アマゾネスたちも無駄に露出度が高いしね。なので、暇つぶし程度の感覚で見るならば十分に楽しめるはずだ。

主要キャストはジェス・フランコ映画でお馴染みの役者が揃う。アマゾネスの女戦士リナ役のエヴァ・レオンは、ポール・ナッシー主演のジャッロ映画『女の館』('74)にも出ていたスペイン女優。考古学者ハーヴェイ役を演じているエミリオ・リンデルは、『スラッグス』('87)や『新リバイアサン リフト』('90)などフアン・ピケール・シモン監督作の常連俳優だ。ジェス・フランコ映画のミューズ、リーナ・ロメイが、黄金の神殿を守るアマゾネス役として顔を出しているのも要注目。なお、昔からたびたび日本のデータベースでも混同されているが、本作に出演しているロバート・フォスターはフランコ映画の常連組であるスペイン人俳優アントニオ・マヤンスの別名であり、『アリゲーター』('80)や『ジャッキー・ブラウン』('97)で有名なロバート・フォースターとは別人なので要注意。あちらはRobert Forster、こちらはRobert Fosterである。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考DVD情報(アメリカ盤)※『キリマンジャロ・ストーンの謎/秘宝に眠る美少女伝説』とカップリング
カラー/ワイドスクリーン(1.78:1)/音声:2.0ch Dolby Digital/言語:英語・フランス語/字幕:なし/地域コード:ALL/時間:85分/発売元:MVD Visual
特典:なし
by nakachan1045
| 2020-02-19 03:40
| 映画
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