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なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画&音楽レビュー日記
by なかざわひでゆき
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「リオ・ロボ」 Rio Lobo (1970)

「リオ・ロボ」 Rio Lobo  (1970)_f0367483_16393217.jpg
監督:ハワード・ホークス
製作:ハワード・ホークス
原案:バートン・ウォール
脚本:バートン・ウォール
   リー・ブラケット
撮影:ウィリアム・H・クローシア
第二班監督:ヤキマ・カヌート
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ジョン・ウェイン
   ホルヘ・リヴェロ
   ジェニファー・オニール
   ジャック・イーラム
   クリストファー・ミッチャム
   ヴィクター・フレンチ
   スサナ・ドサマンテス
   シェリー・ランシング
   デヴィッド・ハドルストン
   マイク・ヘンリー
   ビル・ウィリアムズ
   ジム・デイヴィス
   ピーター・ジェイソン
アメリカ映画/114分/カラー作品




<あらすじ>
南北戦争の末期。北軍の金塊輸送列車が南軍のゲリラ部隊に襲撃され、護衛についていたフォーサイス中尉(ピーター・ジェイソン)が転落死してしまう。中尉を可愛がっていたマクナリー大佐(ジョン・ウェイン)は部隊を率いて、金塊を奪った南軍のコルドナ大尉(ホルヘ・リヴェロ)やタスカローラ軍曹(クリストファー・ミッチャム)を追跡。一度は敵に捕まってしまうも、機転を利かせて反対にコルドナとタスカローラを確保し、奪われた金塊を取り戻す。
ほどなくして南北戦争は終結し、捕虜となった南軍兵士たちは解放されることとなった。収容所にコルドナとタスカローラを訪ねたマクナリーは、南軍に金塊輸送列車の情報を売った北軍の内通者は誰かと尋ねる。金塊強奪自体は戦争行為だから仕方ない。コルドナやタスカローラを責めるつもりなど一切ないマクナリーだが、しかし敵に情報を売った裏切り者は許せないかったのだ。いつしか3人は奇妙な友情で結ばれるものの、しかしコルドナもタスカローラも内通者の顔は見ているが名前までは知らなかった。唯一の手掛かりは、髭をたくわえた大柄な男と白髪で顔色の悪い小柄な男の2人だったというわけだ。
それから暫くして、マクナリーは親しい友人であるテキサスの田舎町ブラックソーンの保安官パット(ビル・ウィリアムズ)から連絡を受ける。町を訪れたコルドナが彼に会いたいというのだ。朝からホテルの酒場でコルドナが目覚めるのを待っていたマクナリーと保安官。すると、隣町リオ・ロボの保安官補一味が乗り込んできて、若い女性シャスタ(ジェニファー・オニール)を強引に連行しようとする。たちまち酒場は銃撃戦となり、飛び起きたコルドナも加勢して相手を全滅させる。殺したリオ・ロボの保安官補は、南軍に情報を売った裏切り者コンビのひとりだった。
コルドナがマクナリーを呼んだ理由は、リオ・ロボで父親フィリップス(ジャック・イーラム)と牧場を営むタスカローラを助けるためだった。リオ・ロボでは悪徳地主ケッチャム(ヴィクター・フレンチ)が配下の保安官ヘンドリクス(マイク・ヘンリー)を使って住民を脅迫し、付近の土地を次々と安値で奪い取っていた。タスカローラの牧場もまた存続の危機に瀕している。シャスタも親代わりの老人をヘンドリクス一味に殺されていた。しかも、その黒幕ケッチャムこそマクナリーが探し求めていた裏切り者らしい。
すぐにリオ・ロボへと向かった一行は、タスカローラの恋人マリア(スサナ・ドサマンテス)の家を隠れ家にして策略を練る。だが、タスカローラがでっち上げの罪で逮捕されてしまった。そこで彼らはフィリップス老人と共にケッチャムを人質にしてタスカローラを解放し、その間にカルドナが応援を呼びに行くという計画を実行に移すのだったが…。

<作品レビュー>
『赤い河』('48)を皮切りに、『リオ・ブラボー』('59)に『ハタリ!』('61)、『エル・ドラド』('66)と、ジョン・ウェインとのコンビで西部劇の名作を次々と放った巨匠ハワード・ホークスにとって、これは盟友ウェインと通算5度目のタッグを組んだ遺作。劇場公開時は興行的にも批評的にも惨敗を喫してしまい、さすがにハリウッド史上屈指の巨匠でも年齢による衰えは避けられないかと言われたそうだが、しかし「腐っても鯛」ならぬ「腐ってもホークス」。確かにホークス&ウェイン・コンビ作の最高峰『リオ・ブラボー』とは比べるべくもない凡作かもしれないが、それでもなおハリウッド伝統の王道的西部劇の醍醐味を存分に味わえる、良質なエンターテインメント映画に仕上がっていると言えよう。

物語の始まりは南北戦争末期。北軍のマクナリー大佐(ジョン・ウェイン)は重要な資金源である金塊の運搬を指揮しているのだが、その途中で南軍のコルドナ大尉(ホルヘ・リヴェロ)とタスカローラ軍曹(クリストファー・ミッチャム)の率いるゲリラ部隊に輸送列車を襲撃されてしまう。その際にマクナリーが可愛がっているフォーサイス中尉(ピーター・ジェイソン)が列車から転落し、打ちどころが悪かったために死亡してしまう。奪われた金塊を取り戻すためにゲリラ部隊を追跡したマクナリーは、一度は敵に捕らえられてしまうものの、機転を利かせて反対にコルドナとタスカローラを捕虜にする。彼らに復讐するつもりなどマクナリーには毛頭ない。戦争だから殺し合いはお互い様だ。しかし、裏切り行為はまた別である。南軍に金塊輸送の情報を売った裏切り者は誰なのか、それをマクナリーは突き止めたかったのだ。

…と、ここまでのプロローグが、恐らく本作で最も退屈で面白みのないパートと言えるだろう。なんというか、とにかく話の流れが緩くてノリが軽いのですよ。いや、ノリが軽いのは別にいいのだが、テンポがグダグダなのはマズいだろう。おかげで、スリルもサスペンスも興奮もほとんどなし。そればかりか、肝心のアクションもいまひとつ冴えない。伝説のスタントマン、ヤキマ・カヌートが第二班監督としてアクション演出を担当しているが、えっ、本当に?と言いたくなるくらい、金塊輸送列車襲撃シーンのスタントにも覇気がないのだ。いやー、さすがにこりゃいかん、出だしからこんな風だと先が思いやられる…といった感じだが、しかし物語が本題へ入るに従って徐々に面白くなっていくので、ここは暫しの我慢といったところだろう。もちろん、始まりから絶好調が本来なら理想なんだけどね。

さて、ほどなくして南北戦争は終結。捕虜となっていた南軍兵が恩給を与えられて釈放されることとなり、収容所を去ろうとするコルドナとタスカローラをマクナリーが訪ねる。改めて、北軍を裏切った張本人が誰なのかを聞き出すためだ。しかし、残念ながら2人とも相手の名前までは知らなかった。確かなのは情報提供者が2人だったこと、ひとりは口髭をたくわえた大柄な男で、もうひとりは白髪で顔色の悪い小柄な男だったということ。僅かな手がかりだが、それだけでもマクナリーには有難い。戦争が終わった今、コルドナにもタスカローラにも一切の恨みはなかった。いつしか3人は奇妙な友情で結ばれ、お互いに連絡を取り合うことを約束して別れる。

それから暫くの後、マクナリーはテキサス州の田舎町ブラックソーンの保安官パット(ビル・ウィリアムズ)から呼び出される。2人は古くからの親しい友人同士だ。町を訪れたコルドナがマクナリーに会いたがっているという。ホテルを訪ねるとコルドナはまだ就寝中で、マクナリーとパットは酒場で待つことにする。すると、そこへ隣町リオ・ロボの保安官補ホワイティ(ロバート・ドナー)が手下を引き連れて現れ、酒場にいた若い女性シャスタ(ジェニファー・オニール)を明らかに不当な理由で逮捕しようとする。仲裁に入るマクナリーだったが、しかし事態は小競り合いから銃撃戦へと発展。騒ぎに気付いたコルドナの加勢もあって、マクナリーらは相手を全滅させる。マクナリーとシャスタに銃殺されたホワイティは、シャスタの親代わりの老人を殺した張本人で、しかも南軍に金塊輸送列車の情報を売った裏切り者コンビのひとりだった。例の小柄な白髪の男こそが彼だったのである。

実は、隣町リオ・ロボでは悪徳地主ケッチャム(ヴィクター・フレンチ)が配下の保安官ヘンドリクス(マイク・ヘンリー)とその手下を使って住民を脅迫し、次々と土地を安価で奪い取っていた。父親のフィリップス老人(ジャック・イーラム)と牧場を経営するタスカローラの土地も狙われており、コルドナは彼を助けるためにマクナリーを呼び寄せたのだ。しかし、理由はそればかりじゃない。ホワイティのボスでもあるケッチャムこそが、どうやら裏切り者コンビの主犯格らしいのだ。そうとなれば黙っていられない。マクナリーとコルドナはシャスタを道案内に、一路リオ・ロボへと向かうことになる。

ひとまず、タスカローラの恋人マリア(スサナ・ドサマンテス)の家に身を隠すマクナリーたち。リオ・ロボの町は完全にケッチャム一味の監視下にあり、住民たちは恐怖支配されている様子だ。マクナリーらはどうやって敵を倒すか策を練るものの、その矢先に罪をでっちあげられたタスカローラがヘンドリクスに逮捕されてしまう。息子の命が惜しければ牧場を明け渡せというフィリップス老人に対する脅しだ。こうなれば一か八かの賭けに出るしかないと考えたマクナリーは、シャスタやマリア、歯科医ジョーンズ(デヴィッド・ハドルストン)、地元女性アメリータ(シェリー・ランシング)らの協力を得つつ、コルドナとフィリップス老人と3人で敵陣へ乗り込んでケッチャムを人質にしようとする。そして、ケッチャムを盾にタスカローラが囚われた保安官事務所を占拠して立て籠もり、その感にコルドナが近隣から応援を呼んでくるという手はずだったのだが…!?

『リオ・ブラボー』と『エル・ドラド』に続く三部作の最終章とされる本作は、なるほど前二作と同じく主人公たちが保安官事務所に立てこもるという設定を用いているわけだが、しかし大きく違うのは本作の保安官ヘンドリクスが悪者側だということだろう。なので、敵の親玉ケッチャムを人質に保安官事務所を占拠したマクナリーらは、ボスを奪い返さんとする保安官一味を相手に攻防戦を演じることになる。そりゃ、毎回同じことを繰り返すわけにもいきませんからね。その一方で、軽妙なユーモアとハードなアクションを織り交ぜたノリの良い群像活劇という路線は、往時ほどの切れや勢いがないとはいえ前二作をそのまま踏襲しており、いろんな意味で安心して楽しめる作品に仕上がっている。若い女性陣から“安全なおじさん”扱いされてふてくされるジョン・ウェインも可愛い(笑)。

まあ、当時既に60代だったジョン・ウェインの動きがやけに鈍くてアクション・シーンがキツイとか、その相棒コルドナ役に起用されたメキシコの若手トップ俳優ホルヘ・リヴェロにウェインと渡り合うほどのカリスマ性がないとか、なんだかんだで敵の一味がヘナチョコ過ぎるとか、いろいろと粗を探せばキリのない作品ではある。そもそも、女性のセミヌードが出てくるあたりで当時の若い観客世代を意識しているものの、それでもアメリカン・ニューシネマ全盛の時代に本作の王道的西部劇路線は古臭く感じられたはずで、恐らく興行的・批評的な不振の原因はその辺にもあったのだろう。

脇役陣で光っているのは、飲んだくれのクレイジーなフィリップス老人を嬉々として演じているジャック・イーラム。『リオ・ブラボー』のウォルター・ブレナンに相当する役柄だが、西部劇の個性的な悪役俳優として鳴らしたイーラムの芸達者ぶりが実に面白い。敵陣へ侵入した際に門番を片付けたフィリップス老人の「代わりに天国の門へ送ってやった」というセリフはけだし名言だ(笑)。これが初の大役だったジェニファー・オニールも、鼻っ柱の強い女性シャスタを好演。ウェインの盟友ロバート・ミッチャムの息子クリストファーは、『チザム』('70)や『100万ドルの決斗』('71)でも共演しており、恐らくデュークは映画界の後見人として後押ししていたのだろうが、残念ながら期待されたほどのスターにはなれなかった。なお、顔面に傷を負ってセミヌードまで披露するアメリータ役のシェリー・ランシングは、その後20世紀フォックスの製作部長やパラマウントのCEOを歴任して、ハリウッド史上最初の女性モーグルとなる。また、ジョン・カーペンター監督作の常連俳優ピーター・ジェイソンが、冒頭で転落死するマクナリーの部下フォーサイス中尉を演じているのも要注目だ。

評価(5点満点):★★★☆☆

参考ブルーレイ情報(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/1080p/音声:5.1ch DTS-HD Master Audio・2.0ch DTS-HD Master Audio/言語:英語・日本語/字幕:日本語・英語/地域コード:ALL/時間:114分/発売元:NBCユニバーサル
特典:なし



by nakachan1045 | 2020-09-25 03:29 | 映画 | Comments(0)

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