なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧
「巨大猿怪獣」 Konga (1961)

製作:ハーマン・コーエン
脚本:エイベン・カンデル
ハーマン・コーエン
撮影:デズモンド・ディッキンソン
音楽:ジェラルド・シューマン
出演:マイケル・ガフ
マーゴ・ジョンズ
ジェス・コンラッド
クレア・ゴードン
オースティン・トレヴァー
ジャック・ワトソン
ジョージ・パステル
ヴァンダ・ゴッドセル
スタンリー・モーガン
グレイス・アーノルド
イギリス・アメリカ合作/90分/カラー作品


世界的な植物学者チャールズ・デッカー博士(マイケル・ガフ)を乗せたプロペラ機が、アフリカのウガンダ上空で消息を絶ってしまう。墜落事故によってデッカー博士は死亡したものと思われた。ところが、それから1年後にデッカー博士が近隣の村で発見され、無事にロンドンへと戻ってきたのである。プロペラ機が墜落する直前に間一髪で脱出した博士は、友好的な村人たちに助けられたのだが、そこで驚異的な速さで成長する肉食植物を発見したことから、そのまま村に残って研究に没頭していたというのだ。

博士はこれらの肉食植物が全ての動物のルーツではないかとの仮説を立てていた。つまり、人間を含めた動物は植物から進化したというのだ。そして、たった1週間で苗から成長する肉食植物より抽出したDNAを動物に注入することで、同じように動物も巨大化できるのではないかと考えたのである。その実験台とするため、デッカー博士はウガンダで自分に懐いた子供のチンパンジー、コンガをイギリスへと連れて帰っていた。長年に渡って博士の助手を務める愛人マーガレット(マーゴ・ジョンズ)は、恐ろしい結果を招くのではないかと心配するが、しかし既存の進化論を覆す画期的な発見に興奮したデッカー博士は聞く耳を持たなかった。

やがて肉食植物から血清を作ることに成功した博士は、それをコンガに注入したところ、まだ幼いコンガはみるみるうちに大人のチンパンジーへと成長する。しかし、そんな時に思わぬ邪魔が入ってしまう。新聞に掲載されたデッカー博士のインタビュー記事を目にして憤慨した大学のフォスター学長(オースティン・トレヴァー)が、わが校の恥になるような研究は今すぐやめたまえ!アフリカから帰ってからの君はおかしい、きっと疲れているんだ、しばらく休講して静養しなさいと横やりを入れてきたのである。これに強く反発したデッカー博士は、さらに強力な血清をコンガに投与して筋骨隆々のゴリラへと進化させ、催眠術を用いてフォスター学長を殺害させる。

その翌朝、新聞でフォスター学長殺害の記事を読んで事態を察したマーガレット。なんとか研究を辞めさせようと説得するものの、反対に結婚をちらつかせるデッカー博士に丸め込まれてしまう。惚れた女の弱みというやつだ。ところが、今度はライバルのタゴーア教授(ジョージ・パステル)が同じような研究をしていると知ったデッカー博士は、その成果を独り占めしようと再びコンガにダゴーア教授を殺させる。さらに、教え子の美人女学生サンドラ(クレア・ゴードン)に下心を持っていた博士は、彼女のボーイフレンド、ボブ(ジェス・コンラッド)までをもコンガに命じて殺害させてしまった。

もはや全能感に酔い仕入れて正気を失ったデッカー博士。そんな彼が自分を棄ててサンドラに鞍替えしようとしていることに気付いたマーガレットは、嫉妬のあまりさらなる血清をコンガに投与。その結果、コンガはキングコング・サイズにまで成長してしまう。催眠術を用いて博士を殺すよう命じるマーガレット。ところが、既にコントロールの効かなくなってしまった巨大猿怪獣コンガはマーガレットを殺害し、さらにはサンドラをレイプしようとしていたデッカー博士を鷲掴みにしたまま、ロンドンの市街地へと向かって破壊の限りを尽くしていく。パニックに陥るロンドン市民たち。巨大モンスター出現の報告を受けた軍隊が出動し、暴れるコンガを倒そうとするのだが…?

モラルの概念がない尊大で冷酷非情な科学者が、善人だろうと悪人だろうと構わず邪魔者を片っ端から殺していくという容赦のなさは、『黒死館の恐怖」や『赤い野獣』にも通じるハーマン・コーエン作品ならではの持ち味。英国ホラー界の誇る怪優マイケル・ガフも、この手の役柄を演じると相変わらず上手い。何を考えているのか分からないような顔つきしているもんなあ。絶対にヒーロー役は演じられないタイプの役者。そこが、クリストファー・リーやピーター・カッシングほどのビッグネームになれなかった理由なのかもしれない。作品全体としても後味の悪さは抜群。そういう意味で、ホラー映画としてはまずまずの合格点ではないだろうかと思われる。

しかし、巨大モンスター映画として見るとそれこそ噴飯物。だいたい、どこかの貸衣装屋から借りてきたようなコンガのダサい着ぐるみ、さすがにあれはないでしょう(笑)。ミニチュア特撮も平凡な仕上がり。決して悪くはないけれど、かといって褒められるほどのものでもない。そもそも特撮シーン自体がちょっとだけしかないからね。それ以外は、見るからに着ぐるみのゴリラが暗闇で人間に襲いかかって殺していくだけ。『キングコング』の亜流というよりは、『復讐のゴリラ男』('41)とか『獣人ゴリラ男』('58)みたいな、古式ゆかしいC級ゴリラ映画のひとつと見做すべきだろう。

評価(5点満点):★★☆☆☆
参考DVD情報(アメリカ盤)※『大怪獣ヨンガリ』とのカプリング
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/音声:2.0ch Dolby Digital Mono・2.0ch Dolby Digital Stereo/言語:英語・スペイン語/字幕:英語・スペイン語・フランス語/地域コード:1/時間:09分/発売元:MGM/20th Century Fox
特典:なし
by nakachan1045
| 2021-04-20 01:26
| 映画
|
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