なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧
「グーリーズⅡ」 Ghoulies 2 (1987)

製作:アルバート・バンド
製作総指揮:チャールズ・バンド
脚本:デニス・パオリ
撮影:セルジオ・サルヴァーティ
特殊効果:メカニカル&メイクアップ・イマジェリーズ
特殊メイク:ジョン・カール・ビュークラー
音楽:ファズビー・モース
出演:デイモン・マーティン
ロイヤル・ダーノ
フィル・フォンダカーロ
J・ダウニング
ケリー・レムゼン
ミッキー・ノックス
デイル・ワイアット
ロマーノ・プッポ
アメリカ映画/90分/カラー作品


冒頭、カルト教団のメンバーに追いかけられて逃げる神父。近くのガソリンスタンド事務所に駆け込んだ彼は、手に持っていた袋を猛毒入りのドラム缶に投げ込もうとする。その袋の中には、カルト教団の手によって地獄から召喚されたグーリーズたちが入っていた。この邪悪な魔物を滅ぼさねばならない。ところが、追いかけてきた仲間のグーリーズに襲われた神父は、自らがドラム缶に突き落とされ殺されてしまう。すると、そこへ1台のトラックが給油のために立ち寄る。運転手たちが目を逸らしている隙に、グーリーズたちはこっそりと荷台に忍び込むのだった。

トラックを運転するのはネッド伯父さん(ロイヤル・ダーノ)と甥っ子のラリー(デイモン・マーティン)。2人は旅回りのカーニバル一座のメンバーで、友達の小人サー・ナイジェル(フィル・フォンダカーロ)と一緒に「悪魔の巣窟」というお化け屋敷を切り盛りしていた。ところが、新たな運営会社から派遣された担当役員ハーディン(J・ダウニング)は冷酷非情なビジネスマンで、利益のあがらない出し物は容赦なく切り捨てていくという。入場者が減り続けているお化け屋敷は風前の灯火だった。しかも、一座の美人ダンサー、ニコル(ケリー・レムゼン)に色目を使うハーディンは、彼女と相思相愛の仲であるラリーを目の敵にしている。

そんなある日、お化け屋敷に紛れ込んだグーリーズを入場者が仕込みだと勘違いし、これが評判となって一気に「悪魔の巣窟」は大盛況となる。しかし、邪悪なグーリーズたちは入場者に危害を加え始め、遂にはネッド伯父さんまで殺されてしまった。ようやくグーリーズの存在に気付いたラリーとサー・ナイジェルは、一座の仲間たちとグーリーズ退治に立ち上がるものの、お化け屋敷を逃げ出したグーリーズたちがカーニバル全体に解き放たれ、阿鼻叫喚の大パニックを引き起こしてしまう。困ったラリーは魔術書に書かれた呪文を唱え、グーリーズの天敵である巨大グールを呼び出すのだったが…!?

古き良き旅回りのカーニバルを舞台にしたアメリカン・ゴシック的な世界観は、クラシカルなホラー映画のムードを醸し出していい感じ。といっても、実はロケ地はイタリアのローマなのだけど。『死霊のしたたり』('85)などの大ヒットで大儲けしたチャールズ・バンドは、かつて父親が映画監督として活躍したイタリアに撮影所を作り、自らも現地に大豪邸を購入して我が世の春を謳歌したものの、その散財ぶりが祟って会社の経営が傾いてしまった。本作はまさしくその渦中に作られた映画の一本だった。なので、キャストにもマカロニ・ウエスタンやスパゲッティ・アクションでお馴染みのタフガイ俳優ロマーノ・プッポや、イタリア映画の英語吹替版制作で有名なミッキー・ノックスなどが顔を出している。

そして、グーリーズのクリーチャー・エフェクトを担当したのは、1作目から引き続いてのジョン・カール・ビュークラー。やはり前作よりも予算が増えたのだろう、デザインや造形が明らかに洗練されており、より個性豊かなモンスター軍団に仕上がっている。しかも、今回は金と時間のかかるストップモーション・アニメまで駆使。クライマックスには巨大モンスターも登場する。といっても、よく見ると普通に人間サイズの着ぐるみで、実際にカーニバル内を闊歩するシーンになると、あれっ?そこまで大きくないよね?となる。なので、小さいグーリーズをムシャムシャと食うシーンでは、どう見たってサイズ感がアンバランスでおかしい。いや、それじゃアゴはずれちゃうでしょ、と(笑)。恐らく、本当ならもっと巨大サイズにしたかったのだろうけど、さすがにそこまでの予算はなかったんだろうな。

『大砂塵』('56)や『シマロン』('60)など西部劇の名わき役としてお馴染みのロイヤル・ダーノが酒飲みのネッド伯父さん役。イギリス人でもないのにサーを名乗るサー・ナイジェル役のフィル・フォンダカーロは有名な小人俳優だ。そんな名優たちに支えられる無名の主演スターは、デイモン・マーティンとケリー・レムゼン。どちらも主役を張るには影が薄い。特に、アルトマン組の名優バート・レムゼンの娘であるケリーは、正直なところ地味過ぎてヒロイン向きの女優とは思えなかった。

なお、本作を最後にチャールズ・バンドは『グーリーズ』シリーズの権利をヴェストロンへ売却することに。経営の傾きかけたエンパイア・ピクチャーズの再建資金に充てたらしいのだが、その甲斐もなく同社は本作が公開された翌年に倒産。ジョン・カール・ビュークラーが監督したシリーズ3作目は、グーリーズが大学で大暴れするという学園ホラー・コメディに、さらに1作目の主人公ジョナサンが復活した4作目はL.A.ノワール風のオカルト・ホラーとなっているが、どちらも箸にも棒にも引っかからない出来栄えだった。

評価(5点満点):★★☆☆☆
参考DVD情報(アメリカ盤)※1作目とのカップリング
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/音声:5.1ch Dolby Surround/言語:英語/字幕:英語・スペイン語/地域コード:1/時間:90分/発売元:MGM
特典:オリジナル劇場予告編
by nakachan1045
| 2021-07-20 10:20
| 映画
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