なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧
「ハッピーフッカー2」 The Happy Hooker Goes Hollywood (1980)

製作:メナハム・ゴーラン
ヨーラム・グローバス
原案:アラン・ロバーツ
デヴィン・ゴールデンバーグ
脚本:デヴィン・ゴールデンバーグ
撮影:スティーブン・グレイ
音楽:トム・ペリー
出演:マルティーヌ・ベズウィック
アダム・ウェスト
フィル・シルヴァース
リチャード・ディーコン
クリス・レモン
アーミー・アーチャード
リンゼイ・ブルーム
チャールズ・グリーン
ディック・ミラー
特別出演:イーディ・アダムス
アメリカ映画/89分/カラー作品


ニューヨークで最も有名な高級娼館マダムとして夜の社交界に君臨し、自伝本が世界的なベストセラーとなったザヴィエラ・ホランダー(マルティーヌ・ベズウィック)。そんな彼女の元に、顧問弁護士から思いがけない報告が入る。ハリウッドの大手映画会社ワーコフ・ブラザーズ・スタジオ(WDS)が、ザヴィエラの自伝本の映画化をオファーして来たというのだ。とりあえず話だけでも聞きましょうと単身ロサンゼルスへと向かうザヴィエラ。そんな彼女を出迎えたのが、社長ワーコフ氏(フィル・シルヴァース)の娘婿であるプロデューサーのロットマン(リチャード・ディーコン)と、その社内ライバルであるイケメン・プロデューサーのラムレイ(アダム・ウェスト)。どちらも次期社長の座を狙っている2人は、我こそが映画化権を獲得しようとザヴィエラに取り入ろうとする。一度はラムレイの枕営業サービスに傾きかけたザヴィエラだったが、しかし両者ともに原作本をまともに読んでおらず、単なる金儲けで映画化しようとしていることに腹を立てた彼女は、映画化のオファーを蹴ってニューヨークへ帰ろうとする。

そんな彼女に声をかけたのが、ワーコフ氏の孫でロットマンの息子である若者ロビー(クリス・レモン)。真面目な正直者のロビーを気に入ったザヴィエラは、彼と組んで独自に自著の映画化へ乗り出すことに。早速、自らの制作会社プレジャー・プロダクションを設立した彼女は、ロサンゼルスからコールガールたちを呼び寄せ、資金集めのための「夜のビジネス」をスタート。肝心要の脚本と監督は、映画作りに精通したロビーに任せることにする。しかし、これに腹を立てたのがワーコフ氏。ハリウッドの大物経営者としてのプライドを傷つけられた彼は、卑怯な手段を使ってでもザヴィエラの映画企画を邪魔しようとするのだが…?

ということで、金儲けのために自分を利用しようとするハリウッドの銭ゲバ映画製作者たちを、誇り高き夜の女帝ザヴィエラとコールガール軍団が得意のお色気作戦で成敗し、最後は見事に映画界での成功を掴むというサクセス・ストーリー(?)。お話のどうでも良さは前作と大して変わらないものの、とりあえずアラン・ロバーツ監督の演出が普通に「ちゃんと」しているのはポイント高い。いやまあ、それが当たり前なんですけどね。映画会社の名前がワーナー・ブラザーズのパロディなのはニンマリだが、それ以外にこれといったハリウッドの内幕ネタ的なジョークが使われていないのはちょっと意外。せっかくなら、ハリウッドあるある的なユーモアも盛り込んで欲しかったとは思う。

とはいえ、伝説的なレストラン、ブラウン・ダービーにアンバサダー・ホテルなど、今はもう失われたハリウッド業界人御用達のランドマーク・スポットが次々と登場するのは嬉しい。ブラウン・ダービーなんて、さすがに筆者も全盛期の栄華は当時の資料でしか知る由はないものの、しかし'89年に初めて渡米した際にはテナントこそ入れ替わってはいたが、しかしあのユニークな帽子型の建物はそのまま使用されていて、ああ、これがかの有名なブラウン・ダービーだった店か!といたく感動したものだ。残念ながら、今は取り壊されてタワーマンションになってしまったが。

1作目の姐御肌なリン・レッドグレーヴ、2作目のコケティッシュなジョーイ・ヘザートンに代わって、濃厚フェロモンだだ洩れの妖艶なザヴィエラを演じるマルティーヌ・ベズウィック。前2作では基本的に主演女優のヌードはナシだったが、本作のマルティーヌは惜しげもなくグラマラスな肢体を披露している。というか、全体的に恐らくシリーズで最もエロ指数は高めかもしれない。なにしろ、元プレイメイトのハードコアポルノ女優スーザン・カイガーも出ているくらいだし。そのため、さすがのマルティーヌも戸惑って撮影中に降板するしないで制作陣と揉めたようだ。

共演の男性陣は、テレビ『バットマン』でお馴染みのアダム・ウェスト、『回転木馬』('56)や『翼よ、あれが巴里の灯だ』('57)などの名脇役リチャード・ディーコン、そして名優ジャック・レモンの息子クリス・レモン。さらに、『ローマで起った奇妙な出来事』(62)や『おかしなおかしなおかしな世界』('63)で有名な喜劇俳優フィル・シルヴァースが映画会社のワンマン社長役で登場。そういえば、テレビのトーク番組司会者役で特別ゲスト出演しているイーディ・アダムスも『おかしなおかしなおかしな世界』に出ていたっけ。また、ロジャー・コーマン組のカルト俳優ディック・ミラーも、ザヴィエラのお世話(?)になる警官役でカメオ出演。あ、あと『フェリスはある朝突然に』('86)のお父さん役で有名なライマン・ウォードが不動産エージェント役でチラリと顔を出している。

ちなみに、ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアターをザヴィエラが訪れるシーンでは、カメラを手にした日本人観光客らしきメガネのアジア人オジサン集団が登場。マスコミの取材を受けてセクシーなポーズを取るザヴィエラを見つけ、「あー、いーねー!」とかなり微妙な日本語で口々に叫びながら無我夢中でシャッターを切る。日本人男性=カメラ、メガネ、スケベというステレオタイプなイメージは、この頃から既に出来上がっていたのですな(笑)。

評価(5点満点):★★★☆☆
参考DVD情報(アメリカ盤)※ブルーレイも発売済
カラー/ワイドスクリーン(1.85:1)/音声:2.0ch Dolby Digital Stereo/言語:英語/字幕:英語・スペイン語・フランス語/地域コード:1/時間:89分/発売元:MGM/20th Century Fox
特典:なし
by nakachan1045
| 2021-10-01 19:17
| 映画
|
Comments(0)
以前の記事
2026年 03月2026年 02月
2026年 01月
2025年 12月
2025年 11月
2025年 10月
2025年 09月
2025年 08月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 03月
2025年 02月
2025年 01月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
最新のコメント
| > Matemuさん .. |
| by nakachan1045 at 13:14 |
| 2024/6/5に発売さ.. |
| by Matemu at 05:08 |
| この映画はデンマーク軍が.. |
| by na at 08:27 |
| ランドマスターは本当にか.. |
| by na at 17:53 |
| > にこらさん コメン.. |
| by nakachan1045 at 01:32 |
| なかざわ様 前にあった.. |
| by にこら at 19:32 |
| DVDリリースされてまし.. |
| by ken at 22:53 |
| > kenさん 書.. |
| by nakachan1045 at 16:23 |
| チプリアーニの作品中でも.. |
| by ken at 11:36 |
| ひでゆきさん、ありがとう.. |
| by na at 16:19 |
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
ハリウッド映画(544)70年代(355)
ホラー映画(287)
60年代(269)
80年代(217)
イタリア映画(186)
アクション(135)
ドラマ(120)
ダンス(116)
50年代(108)
イギリス映画(107)
サスペンス(106)
ポップス(106)
カルト映画(95)
30年代(68)
ロマンス(60)
40年代(59)
日本映画(58)
70年代音楽(58)
2020年代音楽(50)
SF映画(46)
コメディ(45)
フランス映画(42)
80年代音楽(42)
ノワール(41)
90年代(40)
ジャッロ(39)
1920年代(37)
ソウル(36)
西部劇(35)
K-POP(34)
香港映画(32)
エロス(28)
スペイン映画(26)
ドイツ映画(26)
ファンタジー(23)
歴史劇(21)
ミュージカル(21)
ワールド映画(21)
サウンドトラック(21)
戦争(20)
2010年代音楽(20)
アドベンチャー(19)
メキシコ映画(18)
イタリア映画音楽(18)
テレビ(18)
アニメーション(17)
ラテン(17)
2000年代音楽(15)
1910年代(15)
ルーマニアン・ポップス(15)
スパイ(14)
90年代音楽(14)
ロシア映画(13)
アナウンス(11)
60年代音楽(10)
カナダ映画(9)
フィリピン映画(9)
ラウンジ(9)
ロック(9)
ロシア音楽(8)
青春(7)
バルカン・ポップス(7)
ジャズ(7)
シットコム(5)
フリースタイル(4)
2010年代(4)
連続活劇(4)
イタロ・ディスコ(3)
パニック(3)
フレンチ・ポップ(3)
LGBT(3)
J-POP(3)
2000年代(3)
韓国映画(2)
アンダーグランド(2)
トルコ映画(2)
オーストラリア映画(2)
カントリー・ミュージック(2)
フランス映画音楽(2)
ヒップホップ(1)
2020年代(1)
サルサ(1)
民族音楽(1)
伝記映画(1)
シャンソン(1)
文芸(1)
ギャング(1)
1920年代音楽(1)
カントリー(1)
インド映画(1)
ギリシャ音楽(1)
ブラジル音楽(1)
音楽DVD(1)
音楽ライブ(1)
ブログパーツ
最新の記事
| DANCE CLASSICS.. |
| at 2026-03-09 00:34 |
| DANCE CLASSICS.. |
| at 2026-03-08 00:53 |
| 「1968」 (1968) .. |
| at 2026-03-07 15:05 |
| 「L'Intégrale d.. |
| at 2026-03-06 23:10 |
| DANCE CLASSICS.. |
| at 2026-03-06 00:52 |

