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なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画&音楽レビュー日記
by なかざわひでゆき
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「Wild Child」 (1985) E.G. Daily

「Wild Child」 (1985) E.G. Daily_f0367483_05010858.jpg
tracklist

1. Is Anybody Home 4:21 *
2. Little Toy 3:53 **
3. Love in the Shadows 3:55 *
4. Just For You (Dedicated to Jon-Erik Hesum) 3:36 **
5. Hey There Rocky 3:36 **
6. Say It, Say It 4:36 +
7. Wild Child 3:31 *
8. Don't Let Them Take the Child Away 3:56 **
9. Waiting 4:39 ++
10. Sunset People 4:35 *

* produced and arranged by Harold Faltermeyer
+ produced by John "Jellybean" Benitez for Jellybean Productions, Inc.
++ produced by Keith Forsey
** produced by E.G. Daily and Rick Ramirez.

(P)&(C) 1984 A&M Records





『ピーウィーの大冒険』('85)や『ストリート・オブ・ファイヤー』('84)などのカルト映画で知られる女優エリザベス・デイリーが、歌手E・G・デイリーとして発表したファースト・アルバムである。もともと女優業と並行しながら、歌手として数々のハリウッド映画で挿入歌を歌っていたデイリー。ちょうど当時のハリウッド映画界はサントラ盤ブームの真っ只中で、特にその火付け役となった『フラッシュダンス』('83)のジョルジオ・モロダー一派が大活躍していたわけだが、いわばそのモロダー一派の秘蔵っ子的存在だったのがE・G・デイリーである。まずはモロダー御大が音楽スコアを担当したブライアン・デ・パルマ監督のギャング映画『スカーフェイス』('83)のサントラにエリザベス・デイリーとして参加。さらにはモロダーの愛弟子ハロルド・ファルターメイヤーが手掛けてモロダー御大も関わった『誘惑』('84)や、同じくモロダーの愛弟子のひとりだったキース・フォーシーが担当した『ブレックファスト・クラブ』('85)のサントラでも挿入歌を歌っている。そんな彼女が、満を持してA&Mレコードから発表した初めてのソロ・アルバムが本作「Wild Child」だった。

本作からのファースト・シングルがジェリービーンのプロデュースによるマドンナ風ディスコ「Say It, Say It」、続くセカンド・シングルが映画『誘惑』の挿入歌をセルフ・リメイクしたハイエナジー・チューン「Love in the Shadows」だったことから、どうしてもダンス・ポップ系アーティストというイメージの強いデイリーだが、しかしアルバム全体を通して聴いてみると基本的にロック志向の強い人であることが分かるだろう。だいたい、ファルターメイヤーとデイリーが書き下ろしたオープニング曲「Is Anybody Home」#1からしてドラマチックな西海岸ロック。同じくファルターメイヤーと共作したタイトル曲「Wild Child」#7も爽快感あふれるストレートなロック・ナンバーだし、モロダーがプロデュースしたドナ・サマーのディスコ・ソングの名曲を作者であるファルターメイヤーがリメイクした「Sunset People」#10もポップ・ロック風の仕上がりだ。さらに、知る人ぞ知る'70年代のハードロック・バンド、ストライカーのギタリストだったリック・ラミレスとデイリーがタッグを組んだ#2「Little Toy」や#5「Hey There Rocky」もシングル向けのキャッチーなポップ・ロック・チューン。またしっとり系バラード曲「Just For Yoi」#4はデイリーの元恋人で、主演ドラマの撮影中に不慮の事故で亡くなったイケメン俳優ジョン・エリック・ヘサムに捧げられている。

デビュー曲「Say It, Say It」がビルボードのダンス・チャートで1位、全米トップ100にもチャートインと大健闘し、続く「Love in the Shadow」もダンス・チャートのトップ10入りを果たしたものの、しかし残念ながらアルバムはチャートインできなかった。なにしろ、当時のアメリカの音楽市場ではまだまだ女性アーティストが軽んじられがちで、なおかつダンス系やポップス系のアーティストのレコード・セールスはシングルがメインだった。ドナ・サマーやマドンナのような成功例は大変なレアケースだったのである。とはいえ、当時としては珍しく新人ながらアナログとCDを同時リリースしているというのは、レコード会社的にはそれなりの期待をかけていたのだろう。筆者は高校時代に日本盤のアナログを購入し、大学の入学祝いに親からCDプレイヤーを買って貰うと日本盤CDを入手した。ライナーノーツには小倉エージさん、山田道成さん、そして敬愛する村岡裕司さんと3大巨頭が勢ぞろい。こちらも発売元のキャニオンが力を入れていたのかもしれない。現在はサブスク配信で聴くこともできるが、願わくばボーナストラック付きのデジタル・リマスター版でCD復刻して欲しいものである。

評価(5点満点):★★★★☆


by nakachan1045 | 2025-10-29 16:23 | 音楽 | Comments(0)

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