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なかざわひでゆき の毎日が映画&音楽三昧


映画/海外ドラマライターの「なかざわひでゆき」による映画&音楽レビュー日記
by なかざわひでゆき
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「L'Intégrale de ses succès (1973-1977)」 (2010) Robert Miras

「L\'Intégrale de ses succès (1973-1977)」 (2010) Robert Miras_f0367483_15270240.jpg
tracklist

1. Jésus Est Né En Provence 3:31
2. La Chanson Du Vieux Poète 2:37
3. L’Amour Est À Tout Le Monde2:38
4. Je T’Emmène À Luna-Park 3:10
5. Parle-Moi Maman 3:08
6. Légende En Irlande 3:28
7. Petite Fille Trop Romantique3:44
8. C’est Ça Ma Provence 3:32
9. Le Temps D’Avant 4:00
10. L’Heure Grise 3:24
11. Terre Brûlée 2:51
12. Ma Maison 2:10
13. Cloches De Noël 2:43
14. Une Étoile Est Née (Dans Tes Yeux) 2:57
15. La Nappe Blanche 3:15
16. Il Pleuvait Sur Venise 3:34
17. Sentimental 3:21
18. Choisis Ta Cible 3:10
19. Rien N’a Changé Dans Les Chansons D’Amour3:20
20. La Châtelaine De Saint-Julien 3:14
Titres Bonus 2010:
21. La Plus Belle Nuit 4:07
22. Prière À Noël 2:53
23. Le Noël De La Rue 3:03
24. Piensa En Mi 4:22

comception: Mathieu Moulin

(P)2010 Marianne Mélodie





'70年代半ばにフランスで人気を博した男性ポップシンガー、ロベール・ミラのベスト・アルバムである。どうやら、当時の日本へは輸入されなかったらしく、日本盤レコードが発売されたような形跡は全くなし。筆者も彼の存在を初めて知ったのは十数年前のことである。よって本邦ではほぼ無名に等しいわけだが、これがなんとも美しい歌声の持ち主なのですよ。伸びやかで透明感のある澄み切ったハイトーンボイスは、まるでまだ声変わりしていない少年の如し(少々大袈裟かw)。楽曲も日本人好みのロマンティックでセンチメンタルなバラードが多い。それだけに、リアルタイムで日本へ紹介されなかったことが惜しまれる。

生年月日は不詳。父親が仕事で赴任していた北アフリカに生まれ、帰国後は南部のプロヴァンス地方で育ったという。子供時代から周囲に歌の才能を褒められ、おのずと本人も歌手の道を目指すように。普段は市役所の職員として働く傍ら、幾つもの歌唱コンクールに出場して注目され、'70年4月25日に放送されたバラエティ番組「Podium '70」に出演したところ、ミシェル・ポルナレフのマネージャーだったリュック・デトームにスカウトされる。'73年のクリスマス・シーズンに発売された「Jésus Est Né En Provence(イエスはプロヴァンスで生まれた)」でレコード・デビュー。これがいきなりヒットチャートの1位に輝き、売り上げも7万5000枚を超えてゴールド・ディスクを獲得。一躍スターダムを駆け上がることとなる。

翌'74年に発表したセカンド・シングル「L’Amour Est À Tout Le Monde(愛は誰のためのものでもない)」も引き続きゴールド・ディスクに輝き、大ベテランの大御所歌手フェルナンド・サルドゥをゲストに迎えたファースト・アルバム「La Pastorale(羊飼い)」もリリース。自身最大のヒットになったのはサード・シングルの「Parle-Moi Maman(話して、お母さん)」で、25万枚以上を売り上げてダイヤモンド・ディスクを獲得したという。だが、それ以降はなかなかヒットに恵まれなくなってしまう。'75年にパテからポリドールへとレコード会社を移籍し、ビージーズのヒット曲「ジョーク(I Started a Joke)」をフランス語カバーした「Une Étoile Est Née (Dans Tes Yeux)(星が生まれた(君の瞳に))」を出すもパッとせず。これ1枚だけでポリドールとの契約は破棄された。なお、同じ'75年には「日本のヤマハ・フェスティヴァル(=世界歌謡祭)へ出場」とCDブックレットのバイオグラフィーに記載されているのだが、しかしヤマハの公式サイトに掲載されている世界歌謡祭の記録を調べても名前はどこにも見当たらない。

その後もレコード会社を転々としながら活動を続けるも、'87年に出した「Jésus Est Né En Provence(イエスはプロヴァンスで生まれた)」のニュー・ヴァージョンを最後に現役を引退。故郷のプロヴァンスへ戻ってしまう。しかし、21世紀に突入して間もない2001年、ロベール・ミラはクリスマス・アルバム「Mes plus beaux noëls(僕の最も美しいクリスマス)」を引っ提げてカムバック。これを機に、キリスト教の信仰やクリスマスをテーマにした楽曲をコンスタントに発表している。

で、そんなロベール・ミラが'73~'77年に発表した全ての音源を収めたCDが、2010年にリリースされた「L'Intégrale de ses succès (1973-1977)」。そもそも全盛期の楽曲はほとんどCD復刻されておらず、現時点で代表作「Jésus Est Né En Provence(イエスはプロヴァンスで生まれた)」の再録版以外はサブスクでの配信もされていない。つまり、彼のヒット曲をオリジナル・バージョンで聴くには、古い中古のアナログ盤を探すか、このCDをゲットするかしかないのである。発売元はフリーダ・ボッカラやピエール・シャルビーなど、往年の忘れられたフレンチ・ポップス歌手たちの作品復刻に積極的なインディペンデント系レーベル、Marianne Melodie。筆者は同レーベルのCDを片っ端から買っていた時期があり、おかげでロベール・ミラの楽曲とも出会うことが出来たのである。

内容としては当時の全音源20曲に加えて、エディット・ピアフのカバーなど新録4曲という構成。やはり抜きんでているのはデビュー曲である#1「Jésus Est Né En Provence(イエスはプロヴァンスで生まれた)」と、最大のセールスを記録した#3「Parle-Moi Maman(話して、お母さん)」の2曲であろうか。中でも愛する母への想いを切なく歌った#3はなかなか感動的な名曲である。それ以外の楽曲も、全体的にソフトでメロディアスで耳障りが良い。まさに'70年代フレンチ・ポップスの王道といった感じである。ただ、先述した2曲以外はどうも似たり寄ったりの作品が多く、残念ながらあまり印象には残らない。恐らく、全盛期が長続きしなかった理由はそこにあるのだろう。ボーカリストとしての才能には非凡なものがあるだけに残念。新録のカバー曲を聴いても、若い頃とほとんど変わらぬ美声に驚かされる。

評価(5点満点):★★★★☆


by nakachan1045 | 2026-03-06 23:10 | 音楽 | Comments(0)

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